話題のSNS「Clubhouse」で注意すべき点。アメリカでは様々な問題が
とにかく慎重に発言するべき
有名人から一般人まで、あらゆる人たちが会話を楽しんでいるClubhouse。ただ、実際にアプリを使っていると、仕事に関わる裏話や機密情報を、ポロッとこぼしているような人たちもいます。他愛ない雑談であっても、芸能人がメディアで内容を記事化されて苦言を呈する事例もありましたが、基本的に「録音されている」と身構えておいたほうがいいと柳谷さんは指摘します。
「Clubhouseではその場にいるユーザーへ許可を取った場合を除き、原則的には会話の内容を記録してはいけません。ただ、現実的にはスマホでアプリを使いながら、かたわらにボイスレコーダーを置いておけば、アプリ側にバレずに簡単に録音できます。当初からこの部分は問題視されていましたが、芸能人が会話の内容が週刊誌やネットニュースで明るみにされたケースをみても、やはり、録音されている前提での会話を心がけておくべきです」
Clubhouseの規約では録音だけでなく「口外」も禁止されていますが、SNSなどを見ると、そのルールはあまり守られてはいない様子です。それでも、つい口を滑らせてしまいがちなのは、なぜなのでしょう。
「音声のみということで、電話のように話している感覚があるのか、Clubhouseならではのクローズド感から居酒屋感覚でしゃべっているのか。オープンであるという意識のあるYouTubeやブログなどでは自己規制をかけている人であっても、フォロワーを喜ばせようとして思わず“ぶっちゃけてしまう”ケースもあります」
アメリカでは誹謗中傷が問題に
そのような特徴から、アメリカではすでにさまざまな問題がおきているとか。
「アメリカではアプリ上でのヘイトスピーチや誹謗中傷がすでに問題視されており、日本でも近く似たようなことが起きると考えています。原則的に記録が禁止されているぶん、自分がターゲットになった場合には、相手に対する証拠も提示しづらいです。
一方、濡れ衣で『Clubhouseでコイツがこんなことを言っていた』と拡散されても、反論しづらい可能性もあり、日本に上陸して1か月ほどの現状では未知数な部分ありますが、いずれせにせよ、発言は慎重にするべきです」
懸念点はあるものの、さまざまな部屋で“その場、その瞬間”だけしか聴けない会話が繰り広げられているのもClubhouseの魅力。しかし、いわゆる“生配信”ならではのリスクも考えておくべきといいます。
「有名人の部屋では、挙手をしてスピーカーとなった一般人が突っかかっていくパターンもありました。その場では、文句を言った人がスピーカーから降ろされていましたが、対応の仕方によっては『器が小さい』と思われかねず、アドリブ力が試される会話ではリスクもあります。YouTubeの動画やテキストでは基本的に編集もできますが、生配信形式だと、取り返しが付きません。何をしゃべるかも問題で、今後は、話すことに慣れていない一般人が“誤爆”する可能性もありそうです」