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ゲームを買うだけでも大冒険!?ファミコン期の小中学生を待ち受けていた恐ろしいワナ

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違法な「抱き合わせ商法」はなぜなくなったのか?

ファミコン版『ドラゴンクエストⅢ』(※画像はAmazonより)

 この「抱き合わせ」商法がなくなった理由としては、1992年に『ドラゴンクエストⅣ』と他のソフトを抱き合わせて小売店に卸した業者が独占禁止法違反に問われた事件が決定的だったようです。

 また、’90年代以降の家電量販店の出店攻勢も、悪質な抱き合わせ商法をするおもちゃ屋やゲームショップを減らす要因になりました。

 もうひとつ、当時の小中学生がゲームを買う際に「抱き合わせ」と同様、注意しなければならなかったのが「カツアゲ」です。こちらも死語になっていて、「とんかつのよく揚がっているやつかな?」という感じですが、「カツアゲ」は不良用語で「恐喝(カツ)して巻き上げ(アゲ)る」の略だそうです。

 このカツアゲが大々的なニュースになったのは『ドラゴンクエストⅢ』の発売日直後。ゲームを買った子供たちからカセットをカツアゲした中高生が続々と補導され、社会問題になりました。

ゲームを買うだけでも一苦労だった昭和の子供たち

 ちなみに『ドラゴンクエストⅢ』の発売日には学校をサボって行列する子供たちが多数出て、こちらも社会問題に。これを受けて『ドラゴンクエストⅣ』以降の発売日は土曜日か日曜日が定番となっています。

 昭和世代は、抱き合わせに遭ったり、帰り道に悪いお兄さんにカツアゲされたり……と、ゲームを買うだけでも一苦労。行列もせずにダウンロードで新作ゲームが購入できるなんて夢のようです。

 勇者が魔王を倒せるかどうか以前に、お小遣いの範囲でカセットを買えて、無事に家に帰り着けるかという冒険が待っていました。

<TEXT/卯月 鮎>

ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲームの紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。著作には『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)がある。ウェブサイト「ディファレンス エンジン

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