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苦境のラーメン店で「800食も注文殺到」元ヤン芸人が始めた“独自宅配サービス”

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和歌山ラーメンが1杯550円の格安で

ラーメン

津多屋の「和歌山ラーメン」(醤油)

 事実、津多屋にも他の製麺業者が売り込み営業に来たり、普段は昼過ぎに納入に来る業者が、「他店舗が休業していて、ほとんど配送がない」ため、午前中に来たりしたという。

「お店を休業させ、食材を注文しないと彼らの売上が減ってしまう。少しでも売り上げの助けになれば、知り合いの飲食店の参考になればと思い、独自の配送サービスをはじめました。通販だと保健所の許可が必要なので、僕がお店で、前払いで商品を買って、個人が配送する形にしています。もしくは近所ならテイクアウトで取りに来てもらっています」

 和歌山県で生まれ育った津多さんが作るお店の名物・和歌山ラーメン。コクのあるまろやかや豚骨スープと醤油、そこにストレート麺が絡んだ逸品だ。トッピングのネギ、焼豚、メンマにカマボコも含めて、全国の自宅で食べられる配送セットは1杯550円。店頭は1杯750円なので、かなり割安に感じる

「そうですね。他のお店なら700~800円はすると思います。お客さんが少ない時間帯にひとつずつ従業員と梱包して、人件費や原価を押さえています。伝票に何人前って書いたり、箱を買いに行ったりと、すべてが未経験のことなので結構大変です」

開始10日間の反響「予想外だった」

ラーメン

インタビューに答える店主の津多徹郎さん

 最初の反響は身内から。そこからSNSの口コミで評判が広まった。苦境の飲食店を応援したい気持ちと、ステイホームでも外食気分を味わいたい気持ちがマッチしたという。

「告知はお店のインスタ、フェイスブックだけでしたので、まさかここまで反響があるとは思っていませんでした。秋田県から鹿児島県奄美大島まで、10日間で600食、リピートを含めたら800食の注文がきています。1日で最大50個しか送れないので、到着には1週間くらいを見てもらっていて、お金はあとで振り込んでもらっています」

 当初は100食程度を想定していたが、全国から大量注文が届き。おまけに10食・20食・50食とまとめての注文も多かった。「近所で配ってくれているみたいでありがたいです」と語る。

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