ゲイカップルが“代理母出産”で子どもを授かるまで「昔は結婚願望もなかった」
法の整備があってこそ、人々の認識も変わる
――ふたりぱぱのように同性カップルで子育てをしている方も多いのでしょうか。
みっつん:スウェーデンだと女性同士で子育てを行うケースが多いですね。女性だと自分で妊娠ができるというのもあって、精子提供や体外授精、不妊治療が保険適用の上で受けられるんですよ。今、僕らが住んでいる集合住宅でも、“ふたりまま”が一組住んでいます。
街では毎年プライドフェスティバル(LGBTQ文化を讃えるイベント)があって、そのなかで子どもを持つLGBTQの会があります。僕らがこの街に住み始めた頃は、うちともう1組しかなかったんですけど、ここ5年くらいで一気に増えてきていて、今では10組くらいの家族が集まるようになりました。
イギリスでも、ロンドンで暮らしていたときに小学校の先生をしている友達がいたんですけど、彼いわく、「1学年に1組はLGBTQの親を持つ子どもが通っている」という話を聞いたことがあります。
――LGBTQが親として子どもを育ててもいいという認識が広まってきているということでしょうか。
みっつん:認識もそうですけど、それ以上に社会制度自体が変わっていったことが大きい気がします。ひとりの認識が変わるだけだと難しいけど、社会的な議論があって、はじめて法的な整備がなされるようになる。差別の禁止法や同性婚を認めることもそうだし、同性カップルでもIVFのような生殖補助医療を保険適用の上で受けられるという公的事実があるからこそ、人々の認識も変わっていくのかなって思いますね。
<取材・文/目黒川みより>