髭男、あいみょん人気を生んだSpotifyが次に狙う“音声コンテンツ”
あいみょん、Official髭男dismもSpotifyから飛躍
Spotifyでリスナーベースを確立した人気アーティストと言えば、あいみょん、Official髭男dism、King Gnuが挙げられる。いずれもSpotifyが次世代アーティストをサポートするプログラム「Early Noise」によって選出しており、同名のプレイリストやリアルイベントを通してプッシュすることでアーティストの飛躍を後押しした。
「近年、有名になったアーティストの共通点として挙げられるのは『セルフプロデュース力』が非常に長けていること。なりたいアーティスト像をしっかりと持ち、映像やアートワークといったクリエイティブで表現でき、さらに、自分の世界観を表現した楽曲をプレイリストやSNSなどを通じて純度高く直接リスナーに届けることができる。
ストリーミングでは、一度楽曲が人気を得ると長い期間聴かれたり、そのアーティストの過去のカタログも聴かれるようになるので、長くチャートにもランクインし、コアなファンを創出できます」
アーティストの等身大の生き様や共感を呼ぶような歌詞、そして独特の世界観に引き込まれるようなクリエイティブ。まさにこれらを体現し、地で行く存在がストリーミング時代に注目されるアーティストと言えるのではないだろうか。
音楽の次は音声コンテンツに注力
Spotifyは音楽ストリーミングサービスとしての印象が強いが、2019年2月からは本格的にポッドキャストにも注力している。「音楽とポッドキャストを行き来しながら楽しめる新しいオーディオ体験の提供を目指している」と芦澤氏は話す。
「Spotifyは音楽もポッドキャストも一つのアプリ内で楽しめるので、ポッドキャスト番組を視聴したり、音楽を聴いたりといった回遊がしやすい。長時間のサービス利用にも繋がると共にポッドキャスト番組から新たなリスナーを獲得できるメリットもあるため、ポッドキャストには今後も力を入れていきます」
その力の入れ具合は相当なものだ。自社のポッドキャスト制作スタジオを構え、アメリカで著名なポッドキャスト制作会社に投資し、さらには世界で最も人気が高いポッドキャスト番組を手がけるジョー・ローガン氏などと独占契約を結び、オリジナルコンテンツ制作に取り組んでいる。
動画配信サービスでHuluやNetflixなどがオリジナル作品に力を入れているように、Spotifyはポッドキャスト分野で他社との差別化を図るため、オリジナルコンテンツに投資するのだろう。