高卒から30歳で年収1200万円へ。転職で年収アップする人はどこが違う
SCMと生産性向上の経験で2度目の転職
最初の転職以降は、人材紹介会社のサイト上で職務経歴書を常に更新し、求人情報も定期的に見ていたといいます。
「自動車会社の工場企画・先行開発担当者としての経験を記載してからは、多くのスカウト・メールが舞い込んでくるようになり、そのなかに大手コンサルティング会社へのオファーメールがありました」
コンサルティング会社は、その時々に社内需要が高い人材を採用します。少し前からのトレンドをなぞると、「IoT」「スマートファクトリー」「ビッグデータ」「ディープラーニング」、最近ならば「DX」などの技術や経験などがある人材を積極的に採用します。Rさんの場合は、常に一定の需要がある「SCM」「製造業の生産性向上」関連の経験を評価され、入社できました。
「このようなコンサルティング会社側の需要も把握していたので 面接でもアピールしました。コンサルティングの仕事内容も自分の言葉で語れるようにすることで、面接の印象を良くできました。例えば部門を横断して全社的な課題を特定し、打ち手を考えるのはコンサルティング機能のひとつですが、前職の実績をこの観点で語り、働くイメージを持ってもらえるようにしました。
採用側の目線を理解するには、第一線にいた人が書いた本を一通り読むのと、社外でコンサルティング業界の人に会うことです。今の時代SNSをやっている人も多いので、そうした人に会うことは難しいことではありません」
給与が高い業界へ移動するのが鍵
若くして高給を稼げるコンサルティング会社に入社し、給与は420万円程度から入社初年度で850万円に大幅にアップしました。さらに同業他社へ転職することで、現在の年収は1200万円になっています。
「年収アップの鍵は、年収が高い業界へ移動することだと思います。製造業には10年間、勤務しましたが、年収は200万円も上がりませんでした。これは大企業に行っても同じでした。コンサルティング業界に移ったことで年収は700万円近く上がりました」
業界間で年収の差異があるのは事実です。事業の構造が違えば、人件費として支払える金額も変わるからです。Rさんの事例のように、年収を上げることが目的であればこの点はおさえておいたほうがよいでしょう。
あまり見ないキャリアですが、Rさんのように大学に行かずとも大手企業に就職し、30代で1000万円以上を稼いでいる人は実際にいます。彼の経験を通して見えるのは、時勢と就職先の需要を読み解きチャンスを掴んでいく姿勢です。コロナ禍とはいえ、求人倍率はいまだ1.08と1を割っていません。年収アップを目指すなら、まずはどのような求人案件があるのか、一度目を通すことから始めるのも悪くないでしょう。
<TEXT/転職情報サイト 転職強者>