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高卒から30歳で年収1200万円へ。転職で年収アップする人はどこが違う

学び

海外工場立ち上げに従事する日々

空港 海外

 土日もなく深夜まで働き続ける日々が1年以上続き、工場立ち上げ主要メンバー5人のうち2人はうつ病で離脱。自分と残り1人で残り半年を乗り越え、納期も費用も当初予算を大幅にオーバーしましたが、最終的に建設にこぎつけました。

「いろいろありましたがつらかったのは、主要メンバーの離脱と、稼働開始と売上が立つのが遅れたため、社員の一部を雇い止めしたことでした。当然、不満や文句などが出るのですが、決定事項なので決断は覆せません。自分の行動で他の人の人生が変わってしまうことに、相当な責任を感じました。一方で、そうしたさまざまなつらいことを乗り越えた後の稼働報告をお客さんと本社にできたときの嬉しさはひとしおでした」

 海外工場の立ち上げを終えたRさんは、自分のキャリアについて改めて考えはじめます。

「工場立ち上げの仕事を終えたあとに思ったのは、いろいろ大変なこともありましたが、それでも、これよりも面白い仕事が見つからないという感覚でした。出世コースには乗っていたので、上司と同様に30歳で課長、40歳で部長になれるイメージはありました」

経験を買われて大手自動車会社へ転職

「ただ誤解を恐れずに言うならば、“待つだけの状態”でいいのかなという感覚が勝りました。面白い仕事という意味だと、自分は技術系だったので技術が強い会社やより高度な仕事をしたいと思うようになりました」

 思い立ってからの行動が早いRさんは、すぐにエージェントに登録、応募できそうな5、6社に書類を提出します。エージェントは案件保有数という軸が最も大事だと考え、「リクルート」や「パーソル」など大手を中心に複数登録し、相性が良いところをメインに使いました

 24歳で海外の工場建設という実績と、大規模なプロジェクト管理という経験は、大手企業も欲しがるものです。このような場合は、「高卒」「無名の中小企業」という、通常は足かせになる情報も問題とされません。

 こうした実績と経験を買われ、大手自動車会社の工場企画や車両の先行開発を行う部門に転職することができました。国内外ベンダーも含め、関連部署を巻き込みながら計画の具体化と実行をするという職務です。年収は340万円程度から約400万円に上がりました。ただ、この時点では年収1000万円の大台には遠く及びません。年収1000万円以上に至るまでの軌跡をさらに見ていきましょう。

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