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コロナ下の夏旅行で「他県ナンバーお断り」を体験。いまだにあるのか

暮らし

地元民の苦情が町長や県議員にも

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 そこで、友人に駐車場がなかなか見つからなかった話を打ち明けると、驚くような事実を聞かされます。

「友人が言うには、ここら辺の地域は、ここで生まれ育った人が多く、小さな自治体のため、住民から直接、町長や県議員に意見がガンガン行くそうなのです。駐車場の利用制限もそのせいかもしれません。今年は路上駐車も多かったそうです」

 祥子さんは友人と食事後、海には入らず少し観光をして帰ったそう。

「今年はライフセーバーが海にいないので、どのあたりが危険水域かなども、泳ぎ慣れている地元のしか入っていませんでした。東京から来て、もしも溺れたりしたら大変なので、海には入りませんでした。友人は『いつもより海や浜辺がきれい』とは言っていましたが……」

街中でも疑心暗鬼になってしまって…

 友人と別れた後は、商店街をふらついてみたそうです。祥子さんは「気のせいかもしれませんけど、これまでのことで疑心暗鬼になってしまって」と前置きした上でこう話します。

「地元の野菜が名産だったので、産地直売の店に行ってみました。すると、店によっては地元の人にしか、物を売らなかったりしたんです。明らかに地元の人と話し込んで、一向にこちらには話しかけてこなくて、避けられているように感じました。それでもまあ、『ください』と言ってみればよかったのかもしれないですが…」

 せっかくの小旅行ですが、心が休まらないためすぐに帰ることに。

「都心から電車で1時間半から2時間ほどで、海もあり、建築物など観光スポットもあって、普段から年に1、2回は遊びに行っていました。今回の件で、コロナが落ち着き、心から楽しめるようになるまでは、遊びに行くのは我慢しようと思いました

 コロナ禍の旅行。感染予防に気を付けながらも、良い旅になるよう気持ちよく過ごしたいものです。

<取材・文/阿佐ヶ谷蘭子 イラスト/田山佳澄>

ライターは、世を忍ぶ仮の姿。その正体は、普通の主婦です。 ネタ集めのために、あらゆるコミュニティに出没。得意ジャンルは、ママ友や、マウンティングネタなど。女性にまつわるエピソードに目を光らせています

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