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初の5G対応「iPhone12」が発表。価格・性能とも攻めたモデルに

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Proシリーズは自動運転にも使われるLiDARも

 SoC、IP68の防水防塵性能(水深6mで最大30分間の耐水性)、Magsafe for iPhoneなど基本的な機能はスタンダードモデルとProシリーズで異なりません。大きな違いは、iPhone11 Proから引き継いだ、背面の3眼カメラとカメラ横に搭載された「LiDAR(ライダー)スキャナー」でしょう

 LiDARは自動運転などにも利用されるされる技術で、簡単に言うとレーザー光(赤外線)を発射し、その跳ね返りによって、物体までの距離や方向、奥行きを計測するものです。立体構造が読み取りやすくなることで、ARの精度向上が見込めるほか、暗所撮影時での効果が期待されます。

日本版はミリ波非対応

5G

※画像はイメージです

 1点、懸念材料となりうる情報も。全機種5G対応のiPhone12ですが、日本版ではミリ波が非対応となっています。「ミリ波」は「sub6」と共に5G通信に使われる周波数帯です。「ミリ波」には高速通信、低遅延、同時接続台数の多さというメリットがある一方で、電波の届く範囲の狭さ、障害物の影響を受けやすいというデメリットがあります。

 逆に「sub6」は「ミリ波」と比べ通信速度は落ちるものの、電波の届く範囲が広く、障害物の影響を受けづらいというメリットを持ち、「sub6」と「ミリ派」はそれぞれのデメリットを補いあうような関係にあります。つまり「ミリ波」非対応ということは、5G通信のメリットを最大限享受できないわけです。

 ただ、現状、日本は「ミリ波」対応の基地局は少なく、5G対応のエリアほとんどが「sub6」となっているため、それほど大きな影響はでないと考えられています。とはいえ今後長期で「ミリ波」対応の基地局が作られていくことを考えると、留意する必要があるかもしれません。

<TEXT/小林たかし>

フリーランスのライター、主にweb媒体を中心に様々な分野で執筆を手掛ける。守備範囲は広いがとりわけ、変なもの、ことに関する興味が強い。最近の目標はヘビトンボを食べてみること。

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