県外の客はお断りの観光地。東北を訪れた25歳に罪悪感が…
2020年7月末から始まった「Go Toトラベル」。スタート時には混乱もありましたが、徐々に経済活動を再開する動きも出ており、旅行に向けた心理的ハードルも下がってきました。
しかし、会社員の内田翔太さん(仮名・25歳)は「いくら観光客が乗り気でも、観光地があからさまに拒絶を示すこともある」と語ります。発言の背景には、9月中旬に東北のとある観光地を訪れた際の経験がありました。
「県外お断り」を掲げる飲食店ばかり
内田さんが訪れたのは、仙台や会津若松といった東北の代表的な観光地とはいえないものの、歴史と文化が息づく通好みの場所。駅前も整備され、博物館や寺社といった施設も多くあります。
「だいたいの施設が駅の周辺にある観光地で、当日は1日拠点を固定して観光しました。東北はコロナに対する警戒感が強いと思っていましたが、観光案内所や観光施設はすべてオープンしていましたね」
ソーシャルディスタンスの確保を理由に体験系のアクティビティは一部中止を余儀なくされていたものの、普通の観光をするぶんには大きな支障がなかったそう。朝早くから観光を始め、午前のプランを消化して駅前でランチを探したといいます。
貼り紙を見てひしひしと罪悪感が…
「ランチを探して歩きまわっていると、店の軒先に『県外お断り』『首都圏滞在者と2週間以内の濃厚接触者お断り』という貼り紙をちらほら見かけました。コロナを警戒する気持ちは分かるのですが、『旅行に来てはいけなかったかな』と罪悪感を覚えましたね」
駅前はさびれ気味で営業中の飲食店が少なかったうえに、そうした貼り紙でなかなか入れる店が見当たりませんでした。結局、駅から少し離れた、県外の客を受け入れている(少なくとも、堂々と拒絶していない)店でランチを済ませたといいます。
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