75歳まで働く社会になる?20代が年金をもらう頃に起きること
総務省は9月20日に「敬老の日にちなんで」という特集ページをアップしました。2020年9月15日の時点で総人口は前年対比で29万人減少しているものの、65歳以上の人口は32万人増え、総人口に占める割合は28.4%に上ります。
つまり、今の日本は4人に1人以上が65歳という超高齢化社会に突入しているのです。また少子化も大幅に改善する可能性は高くない上に、医療の進歩により寿命が延びて、その傾向は進んでいくと予想されます。日本が大変なことになる前に、日本の高齢者問題について改めて考える必要があります。
現役世代が減り続けているが…
日本は少子高齢化の国として世界で最先端を走っています。国勢調査によれば、総人口は2010年をピークに減少に転じており、生産年齢人口(15~65歳)も減少している状態。一方で、平均寿命は年々伸びているので、必然的に現役世代が減り、高齢者が増えるという分母分子のバランスが頭でっかちになっている状況といえます。
若者を中心に「年金制度」に対する不信感も広がっていますが、おそらくほとんどの人が日本の年金がどのように支給されているか知らないのではないでしょうか。それを知ることで、ある程度、不安は解消されるのではないかと思います。なぜならば、バランスが崩れたとしても、支給金額や支給時期、年金徴収額などを調整することによって、破綻を避けられることがある程度、予測できるからです。
そもそも知っての通り、日本の年金制度は「賦課(ふか)方式」を採用しています。対比されているのが「積立方式」ですね。簡単に言えば、積み立てた保険料を後に受け取る制度ではなく、私たちが支払っている保険料で今の年金受取世代に支給する方法なんです。
日本の年金は「賦課方式」がいい?
ネット上では「積立方式のほうが良い」という意見を多く見かけますが、時代によって物価は変わりますので、積み立てた年金で生活できるかわかりません。また思いのほか長く生きて、積み立てたお金を全部使ってしまったら……そういったリスクを考えれば、断然賦課方式が良いと私は思います。
とはいえ日本は超少子高齢化社会です。年金の支払い額は増えるのに、徴収する生産年齢人口が減る一方だと、当然負担が増えていく未来が想像できます。
それに対して国は何を考えているかというと、60歳以降に受け取れる年金をできるだけ繰り下げて受け取るようにして、それまでの間は働くことを推奨しているのです。