「結婚式をやりたくない」24歳新婚妻の本音。コロナ禍は追い風に…
結婚式は「申し訳なくて、恥ずかしい」
結婚式のチャットプラットホーム「プラコレwedding」を運営する、冒険法人プラコレが、20代~30代の成婚女性1374人を対象に行った調査によれば、「挙式、 披露宴をともに実施」したのは53.9%。いまや2人に1人は結婚式、披露宴ともに「ナシ婚」を選ぶ。かつてより少数になったとはいえ、まだ半数近い女性が結婚式や披露宴を望むなか、北川さんが頑なに式を拒む理由は何なのか。
「まず1つは、『来てくれる人たちに対して申し訳ない気分になってしまう』ことがあります。式をすれば、わざわざ参加してくれる人の貴重な休日をつぶすことになってしまいますし、ご祝儀も安くはありません。周りは『行きたい』と言ってくれますが、それでも式をやろうとは思えなかったです。さらに言えば、個人的に『結婚式=見世物』という感じがしてしまい、そうなってしまうのが嫌なのもありますね」
しかし、「結婚式」という文化そのものが嫌いかといえば、むしろ逆なのだという。
「私自身、他人の結婚式に参加するのは好きですし、式は日本の文化だと思っています。盛大に式を挙げる人の気持ちも分からないわけではありません。だから、個人的なこだわりとして『私は結婚式をやりたくない』という強い思いがあるだけなんですよ。我ながらぜんぜん合理的じゃないのはわかっていて、他人が理解してくれないのも無理はないですね」
「式をしない理由」が説明しやすく
「他人が理解してくれないのも無理はない」と語った北川さん。言葉の背景には、過去の苦い経験があるという。
「普段、式をしたくないという希望を正直に話すことはないんですが、実は以前に1度だけ、他人に本音を話したことがあります。ただ、その時は全く納得してもらえず、軽く口論のようになってしまいました。そのときから、理由を適当にごまかすようになりましたね」
コロナ以前は、具体的にどのような「言い訳」をしていたのだろうか。
「今までは、『身内婚』とか『写真婚』(挙式や披露宴を行わず写真撮影のみを行う結婚式スタイル)と言ってごまかしていました。あとは、まだ若いこともあって『お金がたまったら式をやりたい』と言うと、それなりに納得してくれます。ただ、いちいち言い訳を考えなければならないので、かなりのストレスでした」
しかし、コロナの大流行によって状況が一変する。
「コロナによって一様に結婚式ができない状況になったので、『コロナだから結婚式をしない』と言うだけで誰もが納得してくれました。なかには私が式について言及する前に、『コロナのせいで結婚式はできないんでしょ?』と先回りされることも」