サイバーエージェント傘下になったプロレス団体社長に聞く、経営の極意
飲食店経営に踏み出した理由
――団体を大きくすることに頭を巡らす高木社長ですが、プロレスだけではなく飲食業(DDTフーズ)にも進出しています。これはどういったきっかけがあったのですか?
高木:単純に僕自身が、いろいろなことをやりたいんです。プロレス観た後は一杯飲みながら語りたいじゃないですか。それなら「プロレスに関係のない飲食店へ行くんだったら、自分たちが経営してしまえばいい」と考えてスタートしました。
スタート時から飲食店は順調でしたね。レスラーは怪我をしてしまったら、普通の仕事に就くのがなかなか難しいので、彼らのセカンドキャリアを守るためにも飲食業を始めて良かったですね。
――会社を経営する上で、参考にしている経営者はいらっしゃいますか。
高木:手前味噌ですけど、やはりサイバーエージェントの藤田社長ですね。グループに入る前から、社風が自由な感じがしたのと、極力M&Aをせず、自社で会社を作っていく考え方が好きでした。本当に「こんな大企業のグループに入れるのかな?」という気持ちはありましたが、僕らもベンチャースピリットを掲げて始まったので、親和性はあるんじゃないかと思っていたんですよね。
「ABEMA」は約200億円という赤字ですが、藤田さんは投資と言い切っています。そういったところも経営者として尊敬しているところです。よほど自信と信念がないとできないことなので、僕も信念を持った経営者になりたいです。
コロナ禍における興行方針は?
――コロナ禍における興行方針はありますか?
高木:「5000人のキャパシティーを外して50%」になるみたいですね。対象は野球やサッカー、コンサートでしょうか。ただワクチンも完成していないし、「マスクをしましょう」「密を避けましょう」など具体的な対策がない状況。なのに、クラスターの発生を世の中の人々が恐れていて、なおかつメディアが騒ぎ立てる……。
そうすると国がいくらOKサインを出しても会場側はGOを出せないんですよ。会場側から「これなら良いですよ」と提示されるのが本来の収容人数に対して3分の1の人数です。両国国技館も本来は1万人が収容できますが、会場から提示されているのは2500人、4分1ですよね。