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キャンプ初心者はまず何からすべきか。「ロゴス代表」に聞いた

ビジネス

原因は「ずさんな在庫管理」に

「父親の会社は、余っている在庫をどうにか売りさばく形でしのいでいる“自転車操業”状態で、いつ会社が潰れてもおかしくなかった。そこで、父親の会社に転職し、キャッシュフローを改善すべく在庫管理部門へ異動を買って出たんです。会社が立ち行かなくなりそうな原因は『ずさんな在庫管理』にありました。

 どうにか収益を生み出せないかと会社の商品をひとつひとつ見直すなかで、釣り具や合羽などを販売していた関連でパラソルやテーブルセットの販売が好調だった。全体で見れば微々たる売上でしたが『アウトドア用品なら危機を救えるかもしれない』と思ったのです」

 柴田社長がアウトドア用品に目を付けた背景には、学生時代のバックボーンが影響していると語る。

「学生の頃、『POPEYE(ポパイ)』を読んでいました。アメリカのライフスタイルを日本に初めて紹介した雑誌として有名ですが、大学生だった自分にとって憧れだった。当時の日本ではまだ『アウトドア』という概念がなく、ハイキングや飯盒炊爨(はんごうすいはん)といったイメージが主流でした

 他方、アメリカの若者は車にパラソルやタープ、チェアなどを詰め込み、友人や女性とビーチまでドライブして、海でのんびり過ごすというライフスタイルを、雑誌で目にしていました。『おしゃれな欧米式のアウトドア文化を持ち込んだら面白いのでは』と思ったのがきっかけでしたね」

 会社の危機を乗り越えるべく、1983年からアウトドア用品の販売に着手。その後1985年からLOGOSのブランドを立ち上げ、本格的にアウトドア市場へと参入したわけだ。

第1次キャンプブームと共に歩んだLOGOS

ロゴス

アウトドア用品を扱う前から販売していた作業合羽。今もなお販売を続けているという

 立ち上げ当初は、釣りや船舶など水に関する商材ばかりだったため、柴田社長は従業員に「水ではなく丘に上がろう」と伝え歩いた。

「戦うフィールドを水から平野にし、新たなアウトドア用品を根付かせるために販路をまずは確保しようと努めました。しかし、当時は百貨店で扱ってもらえず、また専門店でも登山用品と一緒にされてしまい、『LOGOSは初心者向けだから扱えない』とレッテルを貼られてしまう始末。最初は、釣り具を置いてもらっていた得意先のGMS(General Merchandise Store:総合スーパー)で販売するところから始めました」

 追い風となったのは1985年あたりから火がつき始めた第1次キャンプブームだ。本格的な登山での個人キャンプから、家族で車に乗ってオートキャンプ場で気軽にアウトドアを楽しむ「ファミリーレジャー」が注目され、アウトドア用品を求めるニーズが高まった。

「キャンプブームに合わせる形で、ホームセンターもどんどん出店が進みました。そのおかげで『アウトドア・レジャー用品』という売り場カテゴリーで販売できるようになった。この頃から口コミで広がっていき、次第にLOGOSブランドの認知が広まっていきましたね」

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