「退職願が受理されない」29歳が職場に内容証明で郵送した結果
「退職願」を預かった上司の言い分
「その後、2週間経っても引き継ぎの話なども何も出なかったため、上司に確認すると『あくまで俺が個人的に預かっただけ。しかも、お前が出したのは退職“願”と希望を伝えただけ、明確な退職の意思表示をしたわけじゃない』と言ってきたんです。政治家の答弁のような言い訳がましい内容で呆れましたが、普通の方法では退職もままならないと悟りました」
このあからさまに部下の退職を拒否しようとする態度は、逆に田廣さんの闘志に火をつけることに。
ネットで調べると自身と似たようなケースが数多く紹介されていました。その場合の対応方法などもいろいろなサイトで説明しており、「それを参考にやってみた」と当時を振り返ります。
退職願ではなく退職届を提出する
「もう上司に話をするだけ無駄だと思ったので、会社の人事宛に内容証明郵便で送りました。もちろん、今度は退職願ではなく退職届です。さすがに退職届を内容証明で送る社員なんて滅多にいないでしょうから人事の担当者に呼び出され、説明を求められましたのでそこで一部始終をぶちまけてやりました。結果、退職届は会社が受理し、翌々月の月末でやめることが正式に決まりました」
ちなみに田廣さんの上司は、自身の行為が部下への慰留工作としては明らかに行きすぎで、やり方にも問題があったと会社から厳重注意。そのことで本人から嫌味も言われたそうですが、「文句を言われる筋合いはありません」とスルー。
引き継ぎなどを済ませた後は、たまっていた有給休暇を消化して退職の日を迎えます。