Zoff社員に「メガネの選び方」を聞いたら凄かった。「最低10本は買ってみて」
大手各社がそれぞれの独自性や強みを打ち出すメガネ業界。製造から流通、販売までを一貫として行うSPA(製造小売業)がメガネの低価格化を進め、各社の価格競争がより厳しくなった。
そんななか業界でいち早く「メガネは5,000円の時代」と宣言し、SPA時代をけん引するメガネブランド「Zoff(ゾフ)」は、来年迎える創業20周年に合わせ、新たにリブランディングを進めるという。
同ブランドを運営する株式会社インターメスティック CI戦略本部 本部長の高島郷氏に、新たなブランド戦略やテレワークで変化するメガネ需要について話を聞いた。
メガネにSPAモデルを持ち込む
Zoffは業界に先駆けてSPAモデルをビジネスに取り入れ、いち早く低価格・高品質のメガネを販売してきた。従来のメガネでは数万円するところを、5000〜9000円という価格破壊に成功したのだ。
「Zoffが誕生した当時はアパレル業界にSPAの波が押し寄せていました。シーズンに合わせて在庫の管理やサイズ、カラーを決めたり、服の保管費用を確保したりと時代がファストファッションを求めるようになっていたんです。
創業者の上野(照博)は洋服関係の家業をしており、メガネ業界でもSPAモデルを活かせないかと考えていました。メガネはフレームとレンズというコンパクトな商材でありながら、シーズンがない。これがZoffブランド誕生のきっかけとなりました」
2001年に下北沢の1号店をオープン以来、機能性やデザイン性に富んだ高品質なメガネを、低価格で販売するスタイルが話題となり、Zoffは現在、国内外に約290店舗を構えるまでに成長を遂げた(2020年8月時点)。
組織再編のきっかけ
今年3月には上野照博氏の長男・剛史氏が社長に就任し、次男の博史氏は副社長に昇格。大きな組織再編が行われたことについて高島氏は「テクノロジーの進化やライフスタイルの変化に柔軟な対応をしていくため」とし、次のように説明した。
「Zoffは、『メガネは高価なもの』という常識を覆す形でブランド展開を行なってきました。業界に先駆けてSPAを取り入れ、メガネのファストファッションとしての地位を確立したことで市場拡大してきましたが、同時に他社の追随による市場の“コモディティ化”が顕著になっています。
来年で20周年を迎えるのを機に、改めてブランドの優位性を見直し、それに伴う組織のあり方や考え方を一新するために、今回の組織再編を行いました」