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ポテチで860億円。カルビーの“味”を開発する秘密を聞く

ビジネス

47都道府県の地元の味を再現

「味の感じ方は人それぞれなので、似ている味と感じる方もいるかもしれませんが、全く同じ中身ということはないです。

 というのも、新しい”味”を作る際、過去の商品を参考にすることもあれば、消費者調査を通じて味のトレンドを研究したり、過去のヒット商品をベースにした復刻版を出したりと、色々な角度から商品化に繋げています。世に出す前には、似通った味にならないことも含め、何重にも渡ってチェック項目を設けています」

ポテトチップス

47都道府県の「地元ならではの味」シリーズ

 また、2017年から始まった47都道府県の「地元ならではの味」を再現するプロジェクトについて、藤原氏は次のように商品開発で工夫した点を説く。

本当に地元ならではの味になった?

「カルビーが地方創生や地域おこしに貢献するため、2017年に『♥ JPN(ラブ ジャパン)』プロジェクトを発足しました。立ち上げ当初は、担当者が全国47都道府県庁に足を運び、自治体の協力を得られるよう交渉していきました。

 企画概要の説明のほかに、ワークショップを通じて試食をしたり、パッケージを一緒になって考えたりと、自治体を巻き込んでの商品開発を行うことで、前向きにプロジェクトに取り組んでいただけたと思っています」

 だが、47都道府県もあれば「地元ならではの味」を全部うまく再現できているかでいうと、なかなか難しいのではないだろうか。

「どの商品も、地元の方が大切にする味を再現し、お客様に喜んでもらう商品にするための試行錯誤を繰り返しましたね。開発部門で味を作り込み、試作品を提案しても、実際に地元の方に試食いただくと『全然違う』と感想をもらうこともありました。改めて、地元を愛する方の意見をもとに商品化することの重要性を感じましたね」

 こうした商品開発担当者の苦労が実って、ようやく1つのポテトチップスの味ができるわけだ。事実、47都道府県の味を発売したことで「地元を思い出すきっかけになった」「地元の懐かしい味を堪能できた」といった消費者の声もあったという。

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