ポテチで860億円。カルビーの“味”を開発する秘密を聞く
コンビニやスーパーなどで買えて、手軽につまめるポテトチップス。最近ではテレワーク中の軽食としても人気である。そんなポテトチップスメーカーとして、ライバルの湖池屋としのぎを削るのが、食品メーカー大手のカルビーだ。ポテトチップスは1975年に「うすしお味」を発売以来、のりしお、コンソメパンチなどを展開している。
6月15日にはコンビニ限定で「ポテトチップス×謎解きクイズ 導きのブラックペッパー味」を発売。その謎の難易度の高さも話題になった。
今回の新商品開発やプロモーションについて、同社マーケティング本部の三橋広伸氏と、藤原秀樹氏にそれぞれ話を聞いた。
ポテトチップス860億円!驚異の売上
カルビーはポテトチップスだけで売上約860億円(2019年度)を誇る。スナック市場を牽引する人気商品であることがわかる。
「これまで数千種類にのぼる商品を世に出してきましたが、お客様に長年親しんでもらえるには、やはり“味”が重要。原料のじゃがいもには相当こだわっています。品質維持のため、35年に渡って契約農家と二人三脚でじゃがいもを作り、北海道の生産者との繋がりを大事にしています。また、加工用のじゃがいもを独自開発し、 安定して美味しいポテトチップスが届けられる努力をしてきました」(藤原氏)
2016年には生産地である北海道に相次いで台風が上陸。じゃがいも不作で、カルビーは「ピザポテト」などの人気のポテトチップスを販売できない状況に陥った。
「お客様にも迷惑をかけてしまうため、農家さんへの働きかけや病気に強い品種の開発など、じゃがいもの安定調達ができるように日々試行錯誤しています」
食べ過ぎて太ってしまわないのか?
しかし、ここでふと疑問に思うことがある。商品開発に携わるメーカーの社員はポテトチップスを食べ過ぎることで、太ってしまわないのだろうか。
「確かにポテトチップスの食べ過ぎは太るイメージですよね」(藤原氏)と答えつつも実際には、メーカー社員だからといって、たくさん食べているわけではないという。
1日に必要なエネルギーの目安というものがあり、間食(ポテトチップスなどのおやつ)はそのエネルギーのうちの10%くらいと言われている。「適量を守ることを前提に、社員はポテトチップスを食べていますね」
地域限定や期間限定の商品を合わせると、ポテトチップスの味は200種類超にものぼる。こんなに多いと、似ている味もありそうな気もするが、全部違うものなのだろうか。