なぜ転職は迷走するのか?元メガバンク人事に聞く、内定への近道
新型コロナウイルスの影響で、慣れないオンライン面談など、計画とは違う転職活動に苦戦している人は多いだろう。2019年11月の開設からわずか8か月で3.2万人のフォロワーを獲得したキャリア系インフルエンサー「ただの元人事@裏垢」(@aya_jinnji)は、こんな時代だからこそ、逆に転職をチャンスとも捉えている。
実は「中の人」は大学卒業後、大手都市銀行に就職し、現在は人材コンサルの会社を立ち上げた起業家でもある。転職活動のノウハウや自身の活動について、Zoomインタビューで語ってもらった。
じっくり時間をかけて転職をサポート
――1か月でどのくらい転職支援をしていますか?
ただの元人事:まず私が転職をサポートしている方は、すべて紹介のみの繋がりで行っています。たとえば学生のときに面倒を見た方だったり、過去に転職支援をした方の同僚や友人など、月に3〜5人くらいですね。
こう聞くと「少ない」と感じるかもしれませんが、たくさんの数を追っても意味はないと思ってます。数字を目標にすると「転職させること」が目的になってしまうので。
その方の状況を踏まえ、お話をする中で転職することに価値を感じてもらったら「じゃあ転職活動も考えてみましょうか」って形で広げています。結婚して子供がいる方には「子供のことを考えて、転職しないほうがいいですよ」と本音で言ったりすることもあります。
1人の転職者に8~10時間かけている
――なるほど、少人数の紹介に絞っているからこそ、しっかり向き合えるんですね。
ただの元人事:そうかもしれないですね。私は1人の転職者に対して、平均すると8~10時間はかけています。
工程としては、1回目の面談の時に、自己紹介や現状の把握、転職のきっかけ、簡単な希望などのヒアリングします。そこで聞いた情報から、こちらでマッチしそうな企業を数社選びます。大手人材会社みたいに何十社も提案しません。理由は浅い情報を、ただ数だけ提供しても価値はないと思っているからです。
2回目の面談では1~2時間くらいかけてその数社の企業説明と業務内容をかなり詳しく説明をさせていただきます。そして企業や業務説明の中のコミュニケーションで転職の優先順位などをさらに深堀りし、受ける企業の絞り込みや、場合によっては追加で企業を紹介します。
3回目の面談では面接の対策などを行っており、時に3~4時間かけることもあります。業界や企業に合わせて、志望動機などは一緒に作成していきます。