日経平均は4万円台に?「コロナ暴落後」にプロが勧める投資デビュー術
新型コロナウイルス感染症の広がりで、株式市場の世界では3月に株価が大暴落しました。「やっぱり、株は怖いな。投資なんかしていなくてよかった」と胸を撫でおろした人も多かったかもしれません。
しかし、世界中でまだ感染拡大が続いているのに、株価は3月の底値(19日終値、16552円)から、6月8-10日には終値で23000円台を突破して40%近く上昇。荒い値動きが続いていますが、史上空前のカネ余りと低金利で、「コロナ暴落」どころか「コロナバブル」が進んでいると見るプロもいます。
「2022年~2023年には日経平均株価が3万円、いや4万円到達のスーパーバブルがやってくるのではないか」と語る『金融のプロが教える コロナ暴落後の必勝投資術』(扶桑社刊)の著者で金融アナリストの永野良佑氏に、アフターコロナの投資術を解説してもらいました(以下、永野氏の寄稿)。
リストラ危機にかける「保険」の役割も
老後2000万円問題や少子高齢化で、20代の皆さんの中には人生の資産形成に不安を感じている方も多いと思います。コロナで進んだリモートワークや社内業務のクラウド化で、社内の「仕事していない人」「クラウドで外に出せる仕事をしている人」の大リストラが始まりそうです。
そのような人にとって生活は最悪になるかもしれないのに、カネ余りと低金利で株価だけが上昇するのがコロナバブルの特徴になるでしょう。コロナショック以降にG20が投じた財政出動の総額は550兆円、日銀や米国の中央銀行にあたる連邦制度準備理事会(FRB)、ヨーロッパ中央銀行が量的緩和で膨らませた総資産は実に2000兆円規模に達するといわれています。
その資金がバブルの形成に向かうというか、すでに向かっているのが現状なのです。日経平均は今後このまま上昇して、9月ぐらいにコロナも終息すれば、2月につけた高値2万4000円を越えて上昇し続ける可能性も高いです。
ただ、コロナ感染第2波が到来して経済がさらに落ち込み、11月の米国大統領選でトランプ大統領が再選され米中貿易戦争が激化することで、日経平均株価が今秋、再び1万2000円台まで暴落――。この二番底に向かうシナリオのほうが、さらなる金融緩和や財政出動が見込め、将来のスーパーバブルの規模は逆に大きくなる可能性が高いでしょう。
いつ始めてもいい、ドルコスト平均法
自分の仕事の不安定さもあって将来に「保険」をかける意味でも、いまこそ長期的な積み立て投資を始めるべきだと考えています。まだ完全にバブルになっていない今だからこそ、iDeCoや、つみたてNISAというお得な節税制度を利用して、月々1万円でもいいので、株価指数に連動した投資信託を買ってみる。スーパーバブル到来を前に、投資を始めるなら「今でしょ!」と声を大にして言いたいですね。
積み立て投資というのは、株価が高いときに始めるより、安いときに始めたほうがいいに決まっています。しかも、長期間にわたって、定額資金を積み立て投資すると、安いときにはたくさん買えて、高いときには少ししか買わないことで平均購買単価を下げる「ドルコスト平均法」と呼ばれる効果を得ることができます。その効果を最大限発揮できるのが、バブル到来前の定額積み立て投資です。
「バブル崩壊」というと、皆さんにとっては遠い昔の出来事かもしれません。しかし、日経平均株価は今からおよそ30年前の1989年に最高値の3万8915円をつけて以降、長らく低迷してきました。
しかし、もしそこから10年ごとに、1989年、1999年、2009年と100万円ずつ日経平均株価連動の投資信託を購入していれば、現在300万円の投資額に対して、120万円近い含み益を得られる計算になります。これが「ドルコスト平均法」の効果です。