「ご存じでいらっしゃいますね」は誤り?“敬語と言葉選びクイズ”に再挑戦
敬語と言葉選びクイズ。さらに4問
【問題4】次の言い方は正しい?(×なら正しい言い方は?)
a:「工事担当者が明日、お客さまのご自宅に伺います」
b:「工事担当者が明日、お客さまのご自宅に参ります」
【答え4】この設問はどちらも〇です。
「伺う」と「参る」も迷うことが多い言葉だと思います。実は「伺う」はお客さまの自宅に行くことに対して、自分を下に扱う「謙譲語Ⅰ」。
一方で「参る」は、自分の行為を相手に対してあらたまった言い方にすることで、相手に対する敬語として働く「謙譲語Ⅱ」に該当します。どちらも正しいですが、相手先の場合は「伺います」のほうが自然ですね。
用法として間違っていてもアリ?
【問題5】次の言い方は正しい?(×なら正しい言い方は?)
お客さま「わがままばかり言ったけど、最後まで付き合ってくれてありがとう。あなたは本当に素晴らしいね」
オペレーター「とんでもございません」
【答え5】〇
謙遜して、相手の褒めや賞賛を打ち消す使い方として適切。「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」と解答した方は、知識が古くなっているので、頭をアップデートしましょう。
かつては「とんでもございません」は間違っているとされ、上記の言葉のように言い換えるよう指導されていました(今でもネットに多く載っています)。
というのも、この言葉は「とんでもない」というひとつの形容詞であり、「とんでも」と「ない」で分割することは語法的に間違っています。そのため、「とんでもない」、「ございません」から「とんでもないことでございます」となるわけです。
しかし、2007年(平成19年)文科省下の文化審議会が発表した「敬語の指針」によると相手からの褒めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現として、「とんでもございません(とんでもありません)」を使うことは問題がないという指針が示されています。
用法として間違っていても、すでに定着した言葉として認められた言葉ということです。「とんでもございません」にどうしても抵抗がある方は「恐れ入ります」など他の言葉に置き換えるといいでしょう。