接待から商談の場へ。第一興商が狙う「カラオケルームの可能性」
大手カラオケボックスチェーン・ビッグエコーを運営する第一興商は2017年4月より、カラオケルームをワークスペースとして提供する「ビジネスプラン」を開始しました。
本来、カラオケボックスは“歌う”場所。学生時代には友だち同士で楽しんだり、社会人となってから同僚と息抜きに利用したりした人も多いでしょう。
ここに来て、ビッグエコーがビジネス利用を推し進める背景には何があったのでしょう。第一興商店舗事業推進部・鈴木敬之課長に話を伺いました。
「ルームの稼働状況にのびしろがあった」
――カラオケルームのビジネス利用を推進する「ビジネスプラン」ですけど、こうしたアイディアが生まれた経緯を教えてください。
鈴木敬之(以下、鈴木):カラオケルームが本来のカラオケ利用ではなく、一時的な仕事場として利用するというケースは以前より聞いていました。ただ統計を取ってきたわけではなく実態を掴めていませんでした。
そうしたなか、かねてより弊社と取引のあったNTTコミュニケーションズ様からビッグエコーをワークスペースとして活用するというアイディアをいただきました。
――本来は娯楽施設であるカラオケルームがビジネス利用を推奨することに違和感はなかったのですか?
鈴木:私どもが運営するカラオケボックスという業態、特にビジネス街に置かれる店舗が集客のピークを迎えるのは、夕方以降になります。
よって、昼間の時間帯はルームの稼働状況にのびしろがあったので、その時間帯にカラオケ以外のニーズを上手く取り込めれば、店舗の稼働率が上がって収益を上げられると考えました。
――業界初の試みですけど準備はどのようにして行われたのですか?
鈴木:ひとまずはトライアル運用ということで、実際にNTTコミュニケーションズの社員の方々にビッグエコーをワークスペースとして利用していただきました。
そのうえで両社の間で意見出しを行い、ワークスペースとして利用するにあたり必要なものを洗い出し、優先順位や現実的な問題を踏まえてふるい分けを行いました。
結果として、Wi-Fi環境をはじめ電源タップやHDMIケーブル、卓上ホワイトボードを用意することになりました。