失敗しない「試着のポイント」は?毎日でも飽きない服の選び方
試着で「似合わない」を避ける
業種・職種にもよりますが、最近ではビジネスファッションのカジュアル化が進んでいます。大手都市銀行の三井住友銀行は、約2万8000人の全行員のうち、本店勤務の約7000人を対象にドレスコードを廃止しました。つまり、ジャケット軸にしたコーディネートならば、スーツとカジュアルの中間として現実的ではないでしょうか。
とはいえ、ジャケットも「スーツに近いカッチリ型」から「カジュアルに寄った型」までさまざまです。しかも、試着をしても「似合っているか」分からないという気分になりがち。
重要なことは「似合っているアイテムを見つける」より、試着姿の比較を繰り返し、「似合っていないアイテムを避ける」という作業です。試着を繰り返した分、似合っているアイテムに近づきますし、繰り返すことで精度は高まります。
試着の精度を高めるコツ
色・サイズ・生地感など、様々な角度で試着を繰り返します。そのうち、違いに気付くはずです。たとえば「さっきのジャケットにくらべ、今着てる方が締まって見える」「よく見れば、いつも着ているジャケットに比べて腕が細い」などサイズ表記には現れないデザインの違いにジワジワ気づき始めるはずです。
アームホール・着丈・肩幅のフィット感など、値札に書いていないショップごとの違いに気付き始めたら、試着の精度が上がっている証拠です。私はこの状態のことをフィッティング・インテリジェンスが高まっている状態と呼んでいます。
試着が上手い人は、着た状態の違いを言語化することが上手です。同じように見える紺ジャケットでも、実際はショップやアイテムごとに全然違います。緊急事態宣言が解除されて、アパレル店も徐々に営業再開しています。
もちろんまだまだ気は抜けませんが、そろそろ実店舗に足を運び、試着の精度を高めてみてはいかがでしょうか。これこそ究極の1着に繋がる第1歩になると思います。
次回、<毎日着るならジャケットは何色が正解?絶対に失敗しないコーディネート術>に続く。
<TEXT/森井良行>