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コロナ禍のドイツで転職に挑戦した日本人エンジニア「面接は散歩しながらでした」

ビジネス

「トイレットペーパーが一時品薄に」

 ちなみにドイツでも、日本と同じように、トイレットペーパーが一時品薄になった。

「なぜかはわかりませんが、日本でも同じ現象があったそうなので、みな考えることは一緒なのでしょうね(笑)。マスクも一時期、在庫がありませんでしたが、最近は復活しています。私はアマゾンで買いました。5枚入りで8ユーロ(約930円)でした」

 今は自身もリモートワークをしているというAさん。先月まではITベンチャーではサイトのデザインを任されていたが、このコロナ禍で転職活動に挑戦。無事に新たな就職先が決まり、(取材後の)5月上旬より働き始めているという。

「最初はコロナの影響で求人が減ると思いましたが、IT、金融、ゲーム、医療系を中心に影響を受けていないところも多かったです。とはいえ知人がレイオフ(解雇)されたという話も聞きますし、前職の会社でも始まっていました。ベルリンはスタートアップが多いので、出資者の財布の紐が締まってくると厳しいですね」

コロナ禍の転職活動で驚いたこと

ドイツ

Aさんが散歩する、ドイツの公園。人がちらほら

 転職活動ではUXエンジニアとして、ビジネス系SNS「LinkedIn」でアカウントを作成。自作のWebポートフォリオを載せたところ、現在の勤務先からオファーがあったという。「日本でも転職したことありますが、今の会社の採用面接は特殊でした」と語る。

「SNSでオファーがあり、それに返信すると、すぐ面接日が定められ、会社近くの最寄り駅に集合。企業の採用担当者に会うと、『今日はオフィスが空いていないから歩きながら話しましょう』と言って、歩きながら面接が行なわれました。それで後日、内定の連絡がありました。

 ベルリンは外国人が多いので、人種や職業で差別されることもありません。私が働いていた職場は成果主義を取り入れているので、技術を磨けば磨くほど評価されます。日本で働いていた頃と違って、作業・報酬効率がいいと思います」

 なんだか悠々自適に思えてきたAさんの生活。ゆくゆくはロンドンで働きたいそうで、「しばらくは今の会社でUXエンジニアの腕を磨きたい」とのことだ。

<取材・文/シルバー井荻>

平成生まれの編集者・ライターです。赤羽と阿佐ヶ谷に出没します。ビジネスサイトの編集長もやってました。

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