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転職するのに36万円。異色の「キャリアトレーニング」に若者が集うワケ

学び

年収アップだけが目標ではない

シーソー

 こうした特徴のため、必ずしも有名企業への転職や年収アップがユーザーの目標になるとは限らず、あえて年収を200万円下げる人や、サポートを経ても現在の会社に残り続ける選択をする人が一定数存在している。

「最近、私が担当した人も営業が苦手で転職したいという話でしたが、営業支援のアドバイスをしていたら、全社1位を獲るくらい売れるようになっちゃって……。『そのまま会社に残って頑張ることにした』という方もいました。

 苦手な仕事や嫌な業務があっても、自己分析やなぜ嫌なのかを深掘りすることで、根本的な悩みが解決したなら、それでいいんです」

 そう語るのは、これまで3000名以上の20代の就職支援に携わってきた岡氏。家庭環境などにも踏み込み過去の経験を捉え直す自己分析を通して、「自分のことを好きになれた」と語るユーザーも多いようだ。

過去の経験を捉え直す自己分析の重要性

「自己分析では自身の見たくない過去や人生の課題にしっかり向き合い、コーチングしています。家族との不仲、受験の失敗、イジメなど、コンプレックスになっているような経験経験を消化しきれないまま抱え続けていると、意思決定や人間関係の弊害になることがあるんです。

 同時に過去の意思決定で大事にしてきたことや自分の持ち味を理解することも大事。将来どう生きていきたいかを軸に、自身の特性を活かせるキャリア選択を促すことが、自分らしく働くことにつながるというアプローチの仕方ですね」(岡氏)

 20代前半でキャリアプランを考えるというのも少し酷な話に聞こえる向きもあるかもしれないが、ライフイベントとの兼ね合いを考えれば、20代前半でも決して早すぎるわけではないことも現実だ。

「女性ユーザーのケースだと出産や旦那さんの転勤でキャリアについて考える人も多いんですが、実はその時だと遅くて。前もって未来の可能性を見越して動いていないと、キャリアが閉ざされてしまうこともあります」(金井氏)

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