レッドブルの次は“環境に優しい”スムージー。「華麗なる転身」を代表に聞く
近年のヘルシー志向から、美容や健康のためにスムージーを飲むのが一般化しつつある。特に忙しい現代人にとって、ジュース感覚で飲めるスムージーは、手軽に良質な栄養素を摂るのに適しているだろう。
野菜や果物をミキサーにかけてスムージーを作ったり、スタンド業態のお店で購入したりと、消費者のライフスタイルに合わせて多様化している中、2019年7月に発売されたのが「イノセント」だ。
イギリス発、ヨーロッパNo.1のスムージーブランドとして知られるイノセントは、甘味料や合成着色料を一切使わず、世界30か国以上の生産地から厳選したフルーツをブレンドし、果汁・野菜汁100%の濃厚な味が人気を博している。
ヨーロッパでは名の知れたイノセントをどのように広め、ファンを獲得していくのだろうか。イノセントジャパン合同会社の代表である「フルーツ ガーデン マエストロ」の内野正仁氏に話を伺った。
エナジードリンクからスムージーへ
エナジードリンクの筆頭ブランドとして知られ、「翼を授ける」でお馴染みのレッドブル。実はレッドブル・ジャパンをイチから立ち上げたのが内野氏であり、日本市場においてブランド成長の舵取りを担ってきた人物だ。
「レッドブルの日本法人立ち上げに際し、オフィスの選定から社員の採用、プロモーション企画など最初は全て自分でやりましたね。大体12年くらいやってきて、会社規模も大きくなり、知名度も高まったのを見て、自分のキャリアを一区切りしようと考えました。エナジードリンクは、若手がクリエティブなアイディアを出して牽引していくべきで、世代交代も兼ねて退く決断をしました」
レッドブルは成長著しいブランドだ。スポーツやストリートカルチャーのイベントに数多く協賛しているのはもちろん、レッドブルの缶を模したサンプリングカー、バーやクラブでの「レッドブル割り」など、ブームを生み出してきた。
着実に日本で認知が広まるなか、ブランドを支える社員も育った。内野氏が立ち上げ当時に思い描いていたビジョン通りになったことから、次なる道へ進むことにしたのだという。
「チルド」に見出した新たな挑戦
「エナジードリンクからなぜ、スムージーへと転換したのかと言えば、レッドブル退社後にオハヨー乳業と関わる機会があり、ここでの経験に由来します。同企業は日本でも有数の乳製品を売る会社で、プリンやヨーグルト、アイスクリームなどチルドデザートを主力としていますが、いかに『チルド』の業界が難しいかが見えてきたのです。
ゼロ度以上10度以下で製造から販売まで全てしなくてはいけない世界で、どうシェアを広めていくのか。これこそ、自分が新たにチャレンジできる業界だと思っていた矢先に、『イノセント日本法人の代表をやらないか』と声をかけてもらったのです」
野菜や果物は鮮度が重要で、採れたてのものと新鮮味が欠けたものとでは味が全然違う。チルドの良さは、新鮮さを保ったまま消費者へ届けられること。
「もっとチルドの良さを世に広めたい」と思った内野氏は、ヨーロッパで愛されているイノセントを日本でも浸透させるベく、代表として新たな一歩を踏み出したのだ。