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エイベックス直営の大型ナイトクラブ「身分証フリー」で楽しめる理由

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夜遊びの中心が六本木から渋谷へと移動

 そんな華々しい経歴を持つ平松氏だが、昨今の六本木の夜について「一頃に比べて人が少なくなり、活気がなくなってきている」と言う。

「夜遊びの中心が六本木から渋谷へと移ってきており、特に20代前半の若い世代は六本木にあまり来なくなった。また、キャバクラへ行く層のお客様はクラブには足を運ばないので、六本木のクラブ自体かつてのジュリアナやヴェルファーレがあった頃に比べると見劣りしてしまう」

 ただ、そんな中でも大人の「上質な遊び」を求めて六本木のクラブにやって来る20代後半や30代、富裕層の存在は六本木のナイトライフを考える上で重要だという。

「実は、六本木には渋谷と同じくらいクラブがあります。クラブごとに客層がうまく棲み分けされていて、大人向けのクラブで言うと『V2 TOKYO』や『ELE TOKYO』、インバウンド需要で外国人比率の高いクラブは『1OAK TOKYO』や『alife』などが挙げられますね。オクタゴンも、ハイエンドなエンタメを愉しめる大人のクラブとして1年間運営してきましたが、おかげさまで週末には多くのお客様でフロアが賑わうようになりました」

クラブの黒字化には5年かかる

 筆者はこれまで様々なクラブへ足を運んだ経験があるが、その中で特に気になることはクラブ運営の難しさだ。

 大々的にグランドオープニングのイベントをやるはいいものの、その後客足を伸ばすことができず、いつのまにか閉店して、別の名前になっていることはザラにある。六本木のクラブに関しても、幾つものクラブがなくなってしまったことを知っている。

 ヴェルファーレ時代から長年クラブ運営に携わってきた平松氏に「オクタゴンの黒字化」について聞いたところ、意外な言葉が返ってきた。

「クラブ経営を黒字化させるには、最低5年かかります。早くても3~4年でしょうね。クラブは初期投資にものすごくお金がかかるので、設備投資を回収するために長期的なスパンを持って、経営ロードマップを敷く必要がある。

 特にオクタゴンは最先端の音響設備や大型LEDディスプレイ、レーザーを駆使したスペクタクルな空間演出など、他のクラブには類を見ないほどの初期投資をしている。そのため、短期の売上よりも持続的にお客様が満足するクラブとなるような取り組みを大事にしていますね」

オクタゴン

オクタゴンの会場の雰囲気。レーザーによる光の演出は高揚感溢れるものとなっている

 オクタゴンのダンスフロアは10台ものレーザーによって、様々な様相を呈する光のスペクタクルが彩られている。さらに、大型LEDディスプレイからは、DJの音楽に合わせた映像演出を堪能でき、新たなエンタメ体験を創出する空間となっている。

 とことん、内装や設備にこだわって、最高峰のエンタテインメントを提供する。エイベックスが数々のカルチャーやムーブメントを創ってきたからこそ、再び六本木のナイトシーンを盛り上げるべく、オクタゴンにかける想いはひとしおなのだろう。

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