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お酒が飲めない人の「職場の飲み会マナー」とは

学び

スマートにソフトドリンクを頼む

 お酒が飲めないことに対し、一昔前なら「情けない」などと上司や先輩に叱咤された時代もありました。しかし、現代はお酒を強要すると、パワーハラスメントとすぐに言われてしまいます。マナーとは相手の立場になって、互いが互いを思いやることで、双方にとってのハッピーを生み出すものです。

 仕事関係の酒席であっても、お酒が苦手ならば無理に飲酒することはありません。また、前述のとおり、乾杯のときだけアルコールの入ったグラスを無理に持ち、口をつけるしぐさなどもおこなう必要はありません。

 アルコールを飲めない人は遠慮することなく、ソフトドリンクを頼みましょう。しかし、当日の会場にて、みんなの前で伝えるのは、はばかられる気持ちにもなるでしょう。また、場の雰囲気に影響を与えることも「完全にない」とは言い切れない現実もあります。

 これらを回避するためには、事前に幹事の人など、その会を取り仕切っている人に「アルコールではなく、ソフトドリンクをお願いします」と伝えておくことが大切です。そうすることで、現場においてスマートなマナーコミュニケーションが図れます。事前に伝えることができなかった場合には、「申し訳ありません。ソフトドリンクでお願いできますか」と言って、お酒を断ります。

飲めないことを知らずにお酒を勧められたら?

アルハラ

 もし、あなたが飲めないことを知らずに、会の途中などでアルコールを勧められたら、「ありがとうございます」と、まずは勧めてくださったことに対する御礼を伝えます。

 そして、「大変申し訳ないことに、本日は失礼しておりますので。どうぞ◯◯さん、飲んでください」と逆にお酌をしたり、アルコール入りの新しいグラスをお渡ししたりして、その場を明るく乗り切りましょう。

 飲めない人は「不調法なもので」と言ってお断りをする言葉を知っておくとよいと思いますが、最近はこの言葉を使うことは少なくなっています。かえって慇懃無礼に受け取られる可能性もありますから、使い方には注意が必要です。

 マナーは、互いに思いやりをもって、関係者全員にとってプラスとなる環境を創造することです。言いたいことを言えずに、不満をためて影で悪口を言ったり、「アルコールを強要されてパワハラだ」などと弁護士から突然に連絡をさせるなどのことをしないよう、社内の人間関係も心と心を開き合うマナーある関係を築いてまいりましょう。

<TEXT/西出ひろ子>

マナーコンサルタント・美道家。ヒロコマナーグループ代表。これまで企業研修やコンサルティングなどで10万人以上にマナー指導をおこない、お客様満足度NO.1タイトルを取得させるなどの人財育成分野での結果を成果を出す。マナー評論家としてテレビ番組などのメディアへの出演も多数。国内外で90冊以上の著書・書籍監修を手がけているマナー界のカリスマ

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