上司に電話で「お悔やみ」を伝えても大丈夫?正しいお葬式のマナー
知っているようで意外と知らない社会人マナー。社会人になりたての頃ならまだしも、入社して3年過ぎても知らなかったり、間違ったマナーを覚えていたりすると、思わぬタイミングで恥をかくことになりかねません! 復習も兼ねて、しっかりビジネスマナーを学んでまいりましょう。
企業研修やコンサルティング、メディア出演、NHK大河ドラマや映画のマナー指導なども行い、『マンガでわかる! 社会人1年生のビジネスマナー』などの著書監修本は90冊以上もあるビジネスマナーのプロ、西出ひろ子氏に話を聞きました。
電話で「お悔やみ」を伝えてもいい
仕事関係者の訃報など、急な冠婚葬祭の知らせに慌てた経験はないでしょうか。例え突然の知らせであっても恥ずかしくない立ち居振る舞いができなければ、一人前の社会人とはいえません。冠婚葬祭で必要な知識と正しいマナーを身につけましょう。
日本の弔い事にはそれぞれ目的が異なる個別の式があり、一般的にはそれらをまとめて「お葬式」と呼んでいます。
■ 通夜:葬儀の前夜、親族や近親者が集まり、故人と共に最後の夜を過ごす別れの儀式。
■ 葬儀:遺族や近親者によって行われる、故人を現世から送り出す儀式。残された人々が読経や念仏の供養をする。
■ 告別式:故人に生前関わりが深かった友人や関係者が、最後の別れを告げる儀式。通夜の翌日、葬儀と続けて行われるのが一般的。
訃報を受けたら、まずご遺族の方々に配慮しつつ、偲ぶ気持ちを伝えます。
故人とよほど親しい間柄でなければ、電話でのお悔やみはNG。仕事上の付き合いであれば、正式な通夜か告別式に伺います。出席できないときは「弔電」か「代理人」を手配するのがマナーです。
取引先などの葬式で香典のルール
取引先の場合、通夜と葬儀の詳細を確認してから、上司と関係部署に連絡します。誰がいつ参列するのか、香典の額など会社としての対応を決めます。
社員やその家族の場合、ごく親しい関係ならば上司に許可を得てから駆けつけても良いでしょう。それ以外は社内規定に従ってください。
香典は不祝儀袋を使いますが、新札でなくて構いません。むしろ新札は不幸を予測していたようにも受け取られるので、避けた方が無難です。新札を入れる場合は、折り目をつけてから入れるように。
金額は「友人・同僚・上司」は5000~1万円、「友人・同僚・上司の家族」は3000~5000円、「取引先」は5000~1万円くらいを目安に考えます。
ちなみに、仏式ではお香をたむけるたけ「香典」といいますが、神式やキリスト教式では、正式には香典とはいいません。代わりに、神式では「御榊料」キリスト教では「お花料」などと言い、不祝儀袋の表書きにもそのように書きます。この知識は覚えておきましょう。