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我慢はするだけムダ。「嫌なことのやめ方」を専門家に聞いた

暮らし

不安が4、安心が6であれば動ける

 そこには自己肯定感の高低が大きく関わってくる。自己肯定感が高いと失敗を恐れないのはもちろん、周囲に否定されても自信を失うことがないので行動に移せるようになる。では、自己肯定感が低い人はどうすれば良いのか。

「将来の不安を少しずつ解消できるよう、無理のない範囲で行動に移し、小さなことでもいいので成功体験を積み重ねることが重要です。不安と安心が同率だと状況が維持されますが、不安が4、安心が6であれば人は動けるようになる

 それで小さな成功を繰り返せば自己肯定感の向上、ポジティブ思考に繋がり、本気でやりたいことが見つかり、嫌なことを楽にやめられるようになるはずです」(石原氏)

 やめた後も持続可能なマインドがあって、初めてやめられるのだ。

嫌なことの正しいやめ方、ダメなやめ方

▼正しいやめ方

・二分化思考をしない
・嫌なことではなく得意なこと、好きなことにフォーカスする
・そして、無理のない範囲でやりたいことを実践していく
・現状打破するための情報を十分に収集する
・やめた後のイメージを明確にしてやめる
・周囲との調和を大切にする
・やめること、逃げることを肯定的に考える
・やめたいことを正直に書き出す
・明日やめても支障がない小さなことからやめていく
・小さい決断を繰り返し、慣れてきたら大きな決断をする

▼ダメなやめ方

・二分化思考で考える
・拒否感を言葉や態度に出す
・周囲を敵に回す
・勢いや感情に任せてやめる
・ネガティブな思考パターンを維持しながらやめてしまう
・現状から逃げているだけなのにやめたつもりになる
・明らかに周囲に迷惑がかかる形でやめてしまう
・やめた後のことを情報収集せずにやめてしまう
・やめることを恥と考え、罪悪感を引きずったままやめる
・結局自らやめられず、リストラなどの外圧でなし崩し的にやめる

【pha】
作家・ブロガー。京都大学卒業。クリエーターのシェアハウス「ギークハウスプロジェクト」発起人。『がんばらない練習』(幻冬舎)など著書多数

【山口由起子】
コーチ・コンサルタント。東京大学卒業後、ベンチャー企業のM&A担当、投資支援などを経て独立。著書『心を削らない働き方』(CCCメディアハウス)

【石原加受子】
心理カウンセラー。心理相談研究所オールイズワン代表。「自分中心心理学」を提唱。『心のSOSが聞こえたら読む本』(永岡書店)など著作多数

<取材・文/福田晃広・岡田光雄・片岡あけの(清談社) ニポポ 和場まさみ 安英玉(本誌) 撮影/アセティア 山川修一(本誌) イラスト/にしやま>

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