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グーグルが「低スペックゲームの配信」を始めた理由。目指すはソリティア?

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何のための「Snacks」か?

Bubble Woods

ほぼほぼ「パズルボブル」になっている「Bubble Woods」。色が3種類しかないので難易度が低い

「カジュアルなモバイルゲーム」を遊ぶ場所とされるGameSnacksだが、「プロジェクトラボ」からリリースされたもので、あくまでも実験という意味合いが強い。

 ではいったい、GameSnacksの目指すところはどこなのだろうか。おそらくGoogleはこれらの「カジュアルゲーム」を、高度なインフラを必要とする既存の「Stadia」と並行させたいのだろうと思う。

 2020年Googleは、地上波CMを盛んに打って、ノートPCの「Chromebook」シリーズを宣伝している。「Chromebookで遊ぶゲーム」の本命はStadiaであったところ、そちらがうまく行っていないので、その場しのぎとしての役割を持たせるということもあり得そうだ。

 だとすると、「ソリティア」や「フリーセル」など、Windowsにおけるスタンダードなゲームが続くことになるのではないだろうか。この場合、直接的なマネタイズは必ずしも大事ではない。

「ブラウザゲー」が世界的に流行するかも

Road Fury

見たまんま、シューティングレースゲームの「Road Fury」。残念ながら全然面白くない

 ところで、AppleのApp Storeがリリースされて間もない時期、ゲームアプリとして一番人気だったのは「ゴミ箱にうまくゴミを投げ入れる」というカジュアルゲームだった。今日では「娯楽の王様」然としているスマホゲームにも、そういう時期があったのである。

 GameSnacksでプログラムに利用されているのは、開発が容易とされるHTML 5だ。Googleはすでにカジュアルゲームの開発にあたり、インドネシアのベンチャー企業と提携を発表しているが、「HTML 5のゲーム開発者を増やす」という影の目的があったとしても不思議ではない。

 もっとも、現在のように小さなブラウザゲームを提供するだけなら、プラットフォーマーがGoogleである必然性は乏しい。Googleとしても、そこまで多大な期待をかけてはいないように思われる。

<TEXT/ジャンヤー宇都>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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