若者が狙われる「マンション投資」商法。そのカラクリを明かす
土地にかかる金利は経費化できない
しかし、考えてみてください。ここで挙げられている経費項目のうち「諸費用」は、物件購入にかかる費用でしょうから、初年度のみ計上できる費用です。
また、「金利」についても落とし穴があります。マンションの値段は、建物と土地の値段に分かれますが、土地にかかる金利については経費化できません(※シミュレーション表の金利費用が、土地分は差し引いてこの金額だとしたら、もっと金利が高く借りることになりますから、毎月のローン支払額はさらに増えて、初年度から赤字になります)。
つまり、この節税額は来年からもっと減少するのです。しかし、ローン支払いと費用については一切安くなることはありません。
壊れた給湯器はオーナー負担で修繕
また、家賃が毎月入ってくる保証はありません。入居者が出ていけば、募集をかける必要がありますし、空室期間は家賃が入ってきません。エアコンや給湯器が壊れたら、オーナー負担で直さなければなりません。
となると、初年度約30万円の税金還付のために、いったいいくら費用をかけるのか? ということになります。貯金もないのにラクしながら儲かりたい。そういった強欲さをエサに、業者はいつもあなたに甘くささやいてくるのです。
いいですか、20代上京サラリーマンのみなさん。不動産投資を入り口に、最初から節税を目的にした書き方をしている業者から買っても絶対に損をします。
これはもう間違いありません。説明されたことをうのみにせず、自分で計算してみることをお勧めします。自分の身は自分で守らなければなりません。この社会で無知であることのペナルティは案外重いのです。
<TEXT/のらえもん>