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田中圭主演の恋愛映画、今泉力哉監督に聞く「上京前、吉本NSCに通っていた」

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上京して短編映画をずっと作っていた

今泉力哉

――上京して映画学校ニューシネマワークショップに。そのあとENBUゼミナールの職員さんにもなられてますよね。

今泉:はい。社員に(笑)。ニューシネマワークショップに通っていた1年の間にいろんなバイトをして、卒業してからは映画館でバイトをしてました。そのときに出会った人たちに支えてもらいましたね。監督仲間もいて、出てもらったり作ったり。

――撮るぞという気持ちを持ち続けて。

今泉:そうですね。上京してから映画を作っていなかった時期はないです。短編映画をずっと作ってました。ただバイトを掛け持ちしたりしてて、ひっ迫していたので、ENBUの正社員の口を紹介してもらって入ったんです。事務として働きながら映画を作ってました。あと、いろんなコースがあるんですが、興味のある映画監督とか舞台演出家さんの授業をめちゃくちゃ見てました。社員でお金をもらいながら、めっちゃ勉強できるという(笑)。

影響を受けたのは山下敦弘監督

今泉力哉

――印象に残っている監督さんはいますか?

今泉:特にお世話になったのは山下敦弘監督(『リンダリンダリンダ』『苦役列車』ほか)です。山下さんにはENBUで働く前からお世話になっていて、山下さんが俳優ワークショップとかを開くときに呼んでもらったりして、横にいるお手伝いの人みたいな感じで、演出補助みたいなことをずっとやってました。それですごく学びました。悔しかったですけどね。山下さんがスゴすぎて。

――でも今は今泉監督ならではの色が出ていますよね。

今泉:もともとは山下さんからめっちゃ影響受けてます。先ほどもお話した、壁があって主人公が乗り越えてみたいな、ドラマ=葛藤みたいなのは好きじゃないんですが、山下さんが前にノートかなにかに「ドラマ=気まずさ」って書いていて、なぜ山下さんの撮るものが面白いのかわかったと思ったし、役者の芝居の温度についての僕のベースは、完全に山下さんの影響です。

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