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渋谷モディから人が消えた…原因は「サブカル化」?識者の見方は

ビジネス

決算資料からも不調が明らかに

百貨店

※イメージです

「モディに業態転換したのは町田、戸塚、立川(2012年閉館)、川越(2020年1月31日閉館予定)など、長らく“都心外”の立地ばかりでした。そもそもが不振店だったゆえ当然、経営は厳しい状況でした」

 丸井グループが発表した決算資料のうち、2019年9月30日に公開したメディア向けのIR報道資料「FACTBOOK」によれば、各店舗とも売上高は、ほぼ前年度比微増微減の数字が並ぶ。

 しかし、渋谷モディは前年比94.3%、静岡店にいたっては前年比88.1%と、経営は不調だとわかる(いずれもマルイ・モディの2館の合算)。さらに時代の変化とともに、2010年代には丸井自体が変化していく。

「アパレル不況のなか、近年の丸井はマルイ屋号の店舗でも雑貨、サブカルなどを重視しています。とくに丸井渋谷店についてはサブカル化が顕著です。直営売場、そしてファッション関連売場は以前よりも減っており、館内でアイドルやアニメのイベントが頻繁に行われています」

カルチャー重視の「渋谷マルイ」と競合

 渋谷にはモディ以外にも、交差点を挟んだ神宮通り沿いに「渋谷マルイ」(渋谷店)がある。その渋谷店のイベントスケジュールを確認すると、1月12日からテレビアニメシリーズ『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』のイベントショップが出店(~1月26日)。

 ほかにも人気テレビアニメ『文豪ストレイドッグス』のイベントショップも1月17日より出店(~2月2日)、アイドルイベントも昨年末よりマジカル・パンチライン、虹のコンキスタドール、放課後プリンセス、アップアップガールズ(2)などアイドルグループのライブが立て続けに開催されている。

 それらは以前は丸井を訪れなかった客層の獲得や、新たなカード会員の獲得にも貢献しているが、一方で「結果として、モディと丸井の差別化ができなくなっている」(都市商業研究所)という。

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