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CM連発の「メルカリ」に黄信号。好調に見えても現金流出が止まらない

ビジネス

事業運営には「借り入れを増やす」必要が

 借り入れが増加していることを確認するための指標を、複数のグラフによって見てみます。

メルカリ・負債状況の推移

(図版/筆者作成)

 直近年度において、自己資本比率は約25%。企業の資金源泉のうち、負債(Debt)が株主資本(Equity)の何倍に当たるかを示す数値「DEレシオ」も1倍超となっています。業種によって様々ですが、一般にDEレシオは1倍だと健全と言われることが多いです。

 有利子負債も500億円超と拡大傾向にあります。株式会社メルカリでは、急速に借り入れを増やし、事業を運営していることがわかります。

キャッシュを食い尽くすか、収益化に転じるか

 先ほどメルペイ事業と海外メルカリ事業は、大幅に営業赤字で、さらにそれが拡大傾向にあることを説明しました。現在は、銀行から借り入れで現金を調達しても、メルペイ事業と海外メルカリ事業でそのまま流出していってしまうという構図です。

 このままメルペイ事業と海外メルカリ事業が収益性改善に転じることなく事業活動を続ければ、さらに負債は拡大し、DEレシオは高まり、会社の財務状況はさらに悪化することでしょう。

 このままメルペイ事業と海外メルカリへの投資を続け収益化を目指すのか。あるいは一度、メルペイ事業や海外事業の拡大停止の判断をするのか、株式会社メルカリの経営陣は判断を迫られるでしょう。

※当記事に関連するいかなる損失(株式売買などにより生じる損失を含む)について筆者は一切責任を負いません。

<TEXT/小森ほうめい>

元外資系企業勤務。企業経営、企業買収業務を専門に行う。累計10万人以上の国内外の会社経営に携わる。海外約30か国以上の参加者へ講演も実施

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