若者文化の発信地から渋谷はどう変わるか?キーマンに聞いた
ここ数年で駅周辺の景観が大きく変わり、再開発が進む渋谷。最近では、渋谷ストリームや渋谷スクランブルスクエアといった商業施設がオープンし、渋谷の新しいまちづくりが進んでいる。
1990年代以降、新たなカルチャーの発信地として知られる渋谷だが、2020年の東京オリンピック開催にあたり、外国人観光客が訪れる「デスティネーション」としての魅力をどのように醸成し、未来のまちづくりをしているのだろうか。
渋谷の「国際文化観光都市」化を目指し、街をデザインする一般財団法人渋谷区観光協会の代表理事であり、渋谷未来デザインの理事も務める金山淳吾氏に話を伺った。
ショッピング・観光からビジネスへ
2016年より渋谷区観光協会では「PLAY! DIVERSITY SHIBUYA~遊びたくなる街・渋谷区」をコンセプトに掲げているが、具体的にはどのような取り組みをしているのだろうか。
「自然と人が集まって、常に賑わいを見せている渋谷ですが、そのエッセンスは一言では語り尽くせない。東京タワーや上野動物園など、街を象徴するような観光資源があるわけでもなく、また一昔前の渋谷109やパルコに代表されるショッピング観光タウンの側面も、ネットショッピングの台頭によって薄れてきている。
では、今の渋谷にどんな観光資源があるのかと考えた時に、IT企業やスタートアップ企業を中心とした大小さまざまな事業者が集うビジネスタウンであることに着目しました」
日本を代表するIT企業4社のDeNAやサイバーエージェント、ミクシィ、GMOインターネットのほか、米大手のIT企業のGoogleが六本木ヒルズから渋谷スクランブルスクエアに移転してくるなど、渋谷のビジネスタウンとしての側面が強くなっている。
一言では表せないのが渋谷の魅力
また、イノベーション創出のためのコワーキングスペースも、日本一と言っても過言ではないくらいの数が集結している。
「面白いビジネスを渋谷で展開したり、出会いの場を創出する機会を作ったりすることを通じて、渋谷が色々なことにチャレンンジしやすい街であるという空気感を作る。そこで多様な人々が、小さな観光資源をたくさん創出してくれることで、街の魅力を発信していきたい。一言では表せないのが渋谷の魅力。だからこそ、PLAY! DIVERSITY SHIBUYAという言葉で『渋谷に来れば何かしらやっている』という街の雰囲気を作ろうと努めている」
起業家や経営者、フリーランス、クリエイターなどのビジネスパーソンによって生み出される面白いアイディアの数々。これらが源泉となって渋谷の街を活気付けたり、魅力を掻き立てたりすることになれば、渋谷から新しいムーブメントが生まれるかもしれない。