楽天が「東京コレクション」の冠スポンサーに。業界人の反応は?
三木谷社長が語った「今後の構想」
ファッション・ウィーク開幕に先立って行われた10月14日の記者会見では、楽天代表の三木谷浩史氏が次のように抱負を語った。
「これまでは、サッカーのFCバルセロナやNBAのゴールデンステート・ウォリアーズといったスポーツチームのスポンサーを通して支援してきた。今後はファッション領域の強化を図り、ファッションの No.1プラットフォームを目指していきたいと思い、東京コレクションのスポンサーになることを決めた」
また、2012年から運営するファッション通販事業をブランドリニューアルし、新たに「Rakuten Fashion」としてスタートさせることで、多面的にファッション業界を支援していくことを見据えているという。
「楽天市場」などのデジタルプラットフォームに加え、ファッション領域に精通する有識者会を発足させ、プロの知見やアドバイスをもとに東京、ひいては日本のファッションシーンを盛り上げていく構想のようだ。
現場で活躍する業界人はどう思うのか?
ファッションウィーク中は、ファッション業界人を中心としたパーティーも盛んに行われていた。楽天が冠スポンサーになって以来、初のファッションの祭典を記念し、記者会見と同日にはモデルやインフルエンサー、業界人など関係者を中心とした「Rakuten Fashion Week TOKYO Launch Party」が開催された。
実際にファッションに関わる現場関係者は、楽天が冠スポンサーになったことを受け、どのような印象を持っているのだろうか。会場に集まった関係者数名に話を聞いた。
「ベンツやアマゾンの時と変わらず、華やかにやって欲しい」(20代・モデル)、
「楽天に変わったことで、幅広い年代層がファッションウィークに興味を持つのでは」(20代・インフルエンサー)、
「三木谷社長の人脈で海外の人をたくさん呼んで盛り上げてもらえたら良いと思う」(30代・インフルエンサー)
といった好意的なコメントが寄せられる。
しかし、一方で「楽天はただスポンサーになっただけ。まだまだやれることはたくさんある」(30代・ファッション業界人)という厳しい声も。
10月17日にはファッションブランド「HARE(ハレ)」のファッションショー後に開催されるアフターパーティーで、同ブランドのディレクターを務める小長谷健一氏に同じ質問をしてみたところ、次のような回答をもらった。
「我々ファッションブランドは発表できる場に支えられて、成長していける側面がある。楽天が冠スポンサーになって東京コレクションが続くことはとても嬉しいし、若手デザイナーの登竜門として今後も様々な支援をし、東京のファッションシーンを世界へアピールする橋渡し役になってもらえたらいいのでは」