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イケイケに見えて、実は経営が危ない会社の見抜き方

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 我々が人生の多くの時間を費やすのが“職場”。働き方改革が叫ばれているが、改善の兆しはいまだ見えず、劣悪な環境で心身がボロボロになってしまうことも。

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※画像はイメージです(以下同じ)

決算書から、会社の健康度を読み取る

 上場企業は“会社の健康状態”を決算報告書として発表しているが、ここから社員が働きやすい会社か否かを判断する術はあるのだろうか。投資コンサルタントの大熊将八氏にアドバイスを求めた。

「グーグルのように莫大な資産を保有する企業は、当然超ホワイト企業です。対して『社員が働きづらい会社=将来性がない会社』だとすると、PBR(株価の時価総額に対する純資産の割合)が0.5倍以下で、10年分の決算で売り上げが低下していっている会社は打開策を見いださない限り、ジワジワと沈んでいく可能性があります」

 また、一見勢いがあるように見えても、要注意な企業もあるとか。

「例えば社長がメディアに頻繁に露出している企業ですね。見るポイントは2~3年分のキャッシュフローがマイナスであるかどうか。マイナスなら、勢いとは裏腹に会社の実態は火の車で、資金繰りに困って一時的に株価を吊り上げようとしている可能性が高いです。

 ライザップがそうであったように、借り入れと買収を繰り返しているだけで自己資本比率が低く、成長の実態が伴っていないということは珍しくありません」

 ライザップはCMを大量に流し、瀬戸健社長もあちこちのメディアに登場、Jリーグの湘南ベルマーレを買収するなど、勢いがあるように見えた。
 だが、その裏で本業のジムと関係ない企業を大量に買収し、グループ会社は85社に膨れ上がった。結果、2019年3月期決算の純利益は193億円の大赤字に転落。

 昨年11月までは、同社は2019年3月期の決算予想を「159億円の黒字」と発表していたのだから、とんだ大甘予想である。
 ハリボテ経営に騙されないよう、数字から客観的な判断を下したい。

大熊将八氏

大熊将八氏

【大熊将八】
投資コンサルタント。QuestHub代表取締役。東京大学卒業後、ヘッジファンドを経て現職。著書に『東大式スゴイ[決算書の読み方]』(扶桑社)などがある

― 特集・病気になる職場 ―

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