小泉進次郎、カラッポでも人を惹きつける「話し方」の凄さ
進次郎流“話し方”は社会人でも活用可能か
――ビジネスシーンにおいて、小泉大臣の「話す力」はどう活かしていけるでしょうか。
阿隅:一般的に、社会人になるとまず、業務で必要な報告・相談・連絡いわゆる「報連相」に適した話し方を覚えます。こうした報連相のように情報伝達を優先した話し方に慣れると、1対多数の場面、朝礼、メンバーや社員のやる気を促すような会議でも、この話し方で通そうとしがちです。
しかし、場面や目的が違うので、この話し方だけでは、聴衆が無反応、気持ちが盛り上がらないなど期待外れの結果になります。
――大勢の前で、共感を得る必要がある場面、感情のやり取りが必要な場面で、小泉大臣の「話し方」は効果的だということでしょうか。
阿隅:小泉進次郎氏がよく使っている、聴衆がイメージしやすい「個人的な体験談」「身近な出来事」から切り取り、先行して話す方法は、聴衆一人ひとりに「自分事」として考えるきっかけを促す、注目をさせるために活用できます。
また、一文を短く、言葉を明瞭に発言する「え~、あの~」という非言語発話を少なくすることで、言いたい事が明確な印象になります。
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祝福ムードから一転、バッシングを受けている小泉大臣。しかし彼の話し方には、社会人として活用すべき様々なテクニックが埋まっているのかもしれない。
<取材・文/ミノワリク>
【阿隅和美】
報道系アナウンサーを経て、現在は「話す力」を通じて、人・企業の未来を拓く、経営者スピーチ、人材育成、プレゼン研修を行う。著書に『心をつかみ思わず聴きたくなる話のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)など
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