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仕事で衝突を回避し「安心感を与える」話し方のコツ

ビジネス

接続詞の使い方で印象がガラリと変わる

 まず、相手の意見を遮らずに最後まで聞くことが何よりも重要です。途中で「それは違うな」と思ったとしても遮ってはなりません。

 そして聞き終わったら「なるほど、あなたはこのように考えているのですね」などと、相手の話を自分の言葉に言い換えることで理解していることを伝えましょう。それによって相手は「自分の話を理解してもらえた」という安心感を得て、今度はあなたの話を聴く準備ができます。

 ここまできて、ようやくあなたの意見を伝えるタイミングがきました。そうはいっても「あなたの意見は間違っています」と直接的な表現をしてしまうと元の木阿弥なので、別の表現を使いましょう。

「確かにその観点では言われたとおりの結論になるかもしれませんね。それに加えて別の観点からは異なる結論に至るとも考えられますね」というように、相手の意見を直接的に否定せずに「異なる観点では」「より長期的な視点に立つと」「具体的に考えると」といった前提を挟むことを推奨します。

「逆接」は避けて「添加」の接続詞を使う

コミュニケーション

 それによって、相手が感情的になることを避けながら「別の見方をすることで異なる結論に至る可能性がありますよ」と理解させるのです。

 さらに、相手の話の解釈に続いて自分の意見を言う際に「でも」や「しかし」などの逆接を表す接続詞の使用は避けたほうがよいでしょう。なぜなら、その言葉を聞いた途端に相手は身構えてしまうからです。

 それらに替わって「それに」や「加えて」などの添加を表す接続詞に続けて自分の意見を話すことで「自分の意見は否定されないまま、さらに相手の意見を聴く」という意識が相手の頭の中にできて、比較的素直に意見を受け入れる態勢が整うでしょう。

話が長引きそうな時は一旦要約

 なお、相手の話の解釈を伝えるテクニックは相手と意見が食い違った場合だけではなく、相手の話が長過ぎると感じた場合にも応用が利きます。

「あなたの話は長過ぎます」とストレートに伝えるのは言語道断としても、「結局何が言いたいのですか?」と詰め寄ったり、結論を先読みして代わりに言ったりするのも相手との関係の悪化を招く恐れがあります。

 そこで、相手の話のキリのよさそうなところですかさず、それまでの話を要約して、簡潔に「それってこういう理解で合っていますでしょうか」と話してみてください。

 そうすることで、相手に「そう、自分が言いたかったのはまさにそういうことだよ」と受け入れてもらえるうえ、「自分の話は冗長だったかな」と気づかせることにも繋がるのです。

<TEXT/相原秀哉>

㈱ビジネスウォリアーズ 代表取締役。企業の生産性を上げる業務改革/働き方改革コンサルティングと課題解決スキルを教える研修、教育サービスを手掛ける。仕事と育児の両方にフルコミットしている
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