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300円で企業のブラック度を判定。実体験を生かした異色サービス

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「後輩が床で寝ていた」新卒でブラック企業に入社

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運営者の當瀬ななみさん。少し前に注目を集め、本サイトでも取材したアプリ「ブラックアラート」と、やや名前が似ているが「アプリのことは知らず、かぶったのは偶然です」と語る

 そんな彼女は、2度の転職を経て、3年前に転職エージェントから紹介された東証一部上場IT企業に勤務している。

「もともとスマホ向けゲームのディレクターをやっていて、以前の会社には引き抜かれて入社しました。月収6万円もアップして、代表も有名なゲームソフト開発会社の出身。魅力的な会社でしたが、結果的に資金繰りが悪化してしまい、転職を余儀なくされました」

 それ以前にも、新卒で入社した1社目、転職した2社目ともにブラック企業だったという。

「新卒で入社したのは、業界でも有名なITベンチャー企業で、主にシステム開発・受託と、自社サービスの運営を行っていました。当時ソーシャルゲーム全盛で、私は入社早々、新規に立ち上がったソーシャルゲーム事業部に配属されました。ただ、そこは新卒の私が唯一のディレクターで、手取り足取り教えてくれる先輩すらいない環境でした。チームメンバーとの関係にも大変悩みながら働いていました」

 始業時間1時間前の朝9時には出勤し、そのまま終電まで働く生活を毎日続けていた彼女。みなし残業60時間込みで初任給21万円だったが、「新卒で入社した後輩が朝、会社の床で寝ていました」(當瀬さん)と語るほど過酷な環境だった。

ブラック企業の見分け方「求人情報の形容詞は無視」

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自作のブラック企業アラートの名刺

 1年半で2社目の会社に転職したが、そこも輪をかけてブラックな労働環境。當瀬さん自身も「週6日勤務・祝日出勤・残業100時間/月の環境はブラック企業以外の何物でもないと思います」と振り返る。そんな彼女にブラック企業の見分け方を聞いた。

「求人情報の形容詞は無視してください。事業内容で『数字』で勝てるか。サービスの具体的なメリット。どのようなビジネスモデルで価値提供しているのかにつきますね」

 これからについては「依頼数を増やしていって、ライフワークにしていきたい。依頼数が充分に多くなったら、チーム化したり、起業することも検討したい」と語る彼女。新しい副業の形として今後どうビジネスが成長していくのか注目したい。

<取材・文/シルバー井荻>

【ブラック企業アラート】
ブラック企業アラート申込方法」(note)
ブラック企業アラートのtwitter(@blackc_alert

平成生まれの編集者・ライターです。赤羽と阿佐ヶ谷に出没します。ビジネスサイトの編集長もやってました。

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