年1億円稼いだ男が語る、組織に依存しない「新しい稼ぎ方」
「人生100年時代」と言われる現在。将来の生活に備えて、今はまだ20代のビジネスマンも何か準備をする必要がある。
あなたが非正規雇用だったり、病気や親の介護で会社を辞めざるを得ないとき、今ならまだ社会保障制度に守ってもらえるが、その財源もいつまで続くかわからないのが現実だ。今こそ組織に頼らず、個人が自ら稼ぐ方法が求められようとしている。
30万部のベストセラーになった『働かないで年収5160万円稼ぐ方法』(2007年、アスコム)の著者で、“年収1億円ブロガー”と呼ばれる川島和正氏が、来るべき時代の流れについて解説した(以下、新刊『お金儲け2.0』より川島氏、寄稿)。
今の日本はまだ助け合いのシステムが機能
ここまで、最先端技術は世の中をどのように変えていくのか、今後何をすればいいのか、についてお伝えしました。しかしながら、「そうはいっても稼ぐ自信がないし、面倒くさいことはやりたくない」「どうやって今の給料以上に稼げばいいのかわからない」「なんやかんやいって、今の会社で働いていれば大丈夫だろう」と考えてしまうのが、大多数の日本人です。
なぜかというと、現在の日本の社会構造では、組織に所属しているだけで暮らせている人が大多数だからです。そして、成果報酬として実力で稼いでいる人があまりに少ないからです。
ほとんどの日本人は、成果報酬を嫌います。成果が出ようが出まいが、一定の賃金をもらえる職場を好んでいます。実力社会で戦ったら、報酬がもらえない不安があるため、そちらを選んでしまうわけです。
そして、成果主義ではない分、組織に利益をもたらしていないのに給料をもらっている人も数多くいます。また、組織内でやりくりできていればまだましなほうで、外部から支援してもらっている組織も多々あります。
国や地方自治体から約50%が支援を得ている
この支援のお金の出所はどこかというと、国や地方自治体です。日本は雇用維持という大義名分のもと、助け合いのシステムになっているため、国や地方自治体が助けているのです。現在、国や地方自治体からなんらかの支援を得ている職場で働いている人は、なんと全就業人口の約50%にも上っているそうです。
具体的には、まず公務員は国や地方自治体から給料をもらっています。特殊法人や第三セクターも国からお金が入っています。補助金や助成金をもらっている企業や、さらに農協・漁協に所属する農水産業従事者も、国から支援を受けている状態です。上場企業にしても、景気対策として日本銀行により株が買い支えられていたりします。このように挙げだしたらきりがないほど、税金が投入される団体ばかりで、そこに腰かけているだけでお金が入ってくる人が多いのです。
ですから「自分の働きが不十分でも賃金が保障されている職場で働くほうが安泰だ」と考える人が多くても無理はありません。また、「国からボーナスをもらえる職業のほうがお得だ」と考えてしまっても仕方ありません。
就職人気ランキングで、公務員や大企業が上位なのも、こういう社会システムになっていることが大きな理由でしょう。
この先に見えるのは明るい未来ではない
ただ、残念なことに、この日本型助け合いシステムは機能不全に陥りつつあります。昭和の時代は、お国のため、会社のために一生懸命頑張っていた若い人が多かったのでGDP(国内総生産)が増加、税収も増加しました。しかし、最近は社会の高齢化に加えて、「頑張ったら損。なるべく最低限の仕事で給料をもらおう」と考える人が増えてしまったので、回らなくなってきているのです。
その結果、どうなっているのかというと、諸外国の生産性は上がる中、日本のGDPは横ばいになっています。しかも、国の借金を年々増やすことによって支えて、ようやく横ばいにしている状況です。そして、このシステムを無理やり回し続けるため、2009年頃より所得税や消費税などの税率は増加し続け、会社員の平均年収は低下していっています。
この先に見えるのは、残念ながら明るい未来ではありません。言い方は悪いですが、みんながタカリになってしまったら国のお金が足りなくなってしまうのです。そのため、給料は全体的に減り、税金は上がって、社会保障は削られていきます。つまり、現在すでに生活が苦しくなっている人が増えていますが、さらにもっともっと生活が苦しくなっていくことでしょう。
近い将来なら、最低限の衣食住くらいはまだまだ全員保障されるはずです。しかし、残念ながら全員が健やかな生活を送れる社会ではなくなります。モノ余りなので服は大丈夫でしょうが、食事は農薬や添加物の多い体に悪いものしか食べられなくなる可能性があります。家も古くてぼろいアパートに住む人が増えていくことでしょう。また、病気になっても高度医療を受けられない人が続出するのです。とにかく、現時点では国がお金を出して助けてくれている社会保障制度が、財源がなくなって、維持できなくなってしまうのです。