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超売り手市場なのに超多忙!“隠れ”早期選考に振り回される就活生の嘆き

学び

 Aさんが受けたのは世界的に有名な電気メーカーの本社でのインターンだった。

「私の場合、インターンは何事もなく終わったのですが、それから2週間後に突然、非通知設定で電話がかかってきました。出てみると、インターン先の企業で、会社に来る日付と時間を指定され、あなたがどんな仕事を志望するか、面談をしたい旨を伝えられました。その時点で、選考については一切言われませんでした」

 指定された日程は、土曜日の午後。当日、Aさんが会社を訪れると、スーツを着た人事担当者らしき人物に面接室に通され、社員との「面談」が始まった。一対一の状況で、「学生時代力を入れたこと」「志望動機」など面接でも定番とされる質問をされたという。

「それから数日して、企業の担当者から『先日はありがとうございました』というメールが届いただけ。選考ではないというテイなので、不採用通知や、お祈りメールすらありませんでした。正直、期待してたので、落ちたなら、落ちたとはっきり言ってほしかったです」

 その後、彼の友人が同様のルートで内定を得ているのを知り、どうやら早期選考に落ちたらしいとそのときになって気がついたそうだ。

メディアのダブルスタンダードに憤りも

怒り

 さらに新聞、テレビ、雑誌などのメディア業界を志望する学生たちからはこんな声も出た。

「マスコミは、企業がプレミアム選考を行っていることを『就活の長期化の恐れがある』などと言って批判しますが、新聞社や出版社などメディア企業もプレミアム選考を行っています。どれだけ抜け駆けがしたいのかと……正直、メディアのそういう部分は好きになれません」(東京女子大・女性4年)

「プレミアム選考を批判する記事を見かけるたびに、『お前が言うな』という気持ちになります。他人を批判するくらいなら、自分たちも正直に選考だと言ってほしい」(学習院大学・男性4年)

 最近のセクハラ報道にしても、ダブルスタンダードが批判されているメディア業界だが、就活市場でもその姿勢は変わらないようだ。

 超売り手市場と言われても、就活生は「誰もが好きな会社に行けるわけではないこと」くらいわかっている。むしろ企業のほうが「人手が足りない」のを理由に、他社に先駆けて優秀な人材を確保しようと、躍起になっているように見える。

 学生も企業も一度、ゆっくり落ち着いて、今年の採用活動と向き合ってみる時期かもしれない。

<取材・文/佐々木一>

都内の大学に通う大学4年生。イベント企画サークルに所属。95年生まれ、最後のゆとり世代。ライター志望で就活中

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