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UberEats配達員に「過酷な労働環境」を聞く。組合結成の動きも

ビジネス

運営会社による報酬の集計ミスまで

 Aさんによれば、他にも多くの問題があるそうだ。たとえば配達員の報酬は1件数百円ほどで、主に配達先までの距離や自転車や原付自転車など運送手段といった要素から計算されるが、Aさんは「ある日、運営側のミスがあった」と主張する。

「仲間内では『ちょろまかし問題』と言っているんですが、配送距離が間違って集計されていました。私も1万円ほどの集計ミスがあった。その分は後日、払い戻してもらえましたが、おそらく、もっとミスはあった。あとになって4万とか、5万円とかを払い戻された方もいましたよ」

 出来高で報酬を得ている配達員にとってこうした計算ミスは、死活問題にもなりかねない。しかもUberEats配達員の評価や報酬の策定基準には不明瞭な部分が多いそうだ。

「基本的な部分は別として、他の要素が明文化されていない。自分は自転車ではなく、バイクを使っていますが、配達方法による報酬の違いは明記されていません。でも、バイクのほうがなんとなく多い。

 注文者などの評価基準も、詳しいことはわからない。同じような評価で、同じくらいのペースで配達していても人によって報酬額が違うことがある。運営に聞いても『AIやパソコンのシステムで選んでいるので』というだけです。配達員同士でも疑心暗鬼になることがあります」

ツイートに対し、UberJapanの回答は?

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© Franz1212

 こうした意見に対し、日本国内UberEats事業を運営する、UberJapan株式会社はどう答えるのか。広報担当者は、冒頭の「アカウントは永久停止となる」ツイートについて、次のように文書で回答した。

「Uberにとって配達パートナーの安全は最優先事項です。私たちは、全ユーザーに快適なサービスを提供すべく、コミュニティガイドラインを設けており、マナーへのご理解とご協力をお願いしています。そちらに違反する行為があった場合、アカウント停止の措置を取らせていただくこともございます」

 また、今回の取材でAさんが語っていた「報酬額の集計ミスや、評価の不明瞭性」については次のように答えた。

「システムの不具合によって、一時期配送距離が間違って集計されていた事実がございます。不具合の発生日・その原因を特定し、不具合発生期間中の配送料金を全ての配達パートナーに対して集計し直し、差額があった場合は払い戻しを行っております。

 料金修正はどの期間でも対応いたしますので、料金に疑問がある場合は早めにサポートセンターにご連絡いただけますと幸いです。時間帯や配達エリア、配達実績などによってインセンティブなどが異なるため、同じ回数配達いただいたとしても報酬が変わることはございます」

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