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京都ヨドバシ「中国人転売ヤー」騒動。結局誰が悪いのか?

ビジネス

中国人転売ヤーの元締めも“中国人”

 彼らは「並び子」と呼ばれ、それぞれ雇い主(元締め)がいるようだ。

「中国人も、日本人もどちらの元締めもいます。私の知り合いの日本人転売ヤーは、西新宿とかでホームレスを十数人確保して並ばせていました。中国人で並んでいる人たちだと元締めも中国人のほうが多い気がします。電話で中国語をしゃべってるし、スマホを覗き見しても中国語でやり取りしていますからね」

 そんななかで、U氏は「ホームレスのほうが質が高いです」と言う。

「今回の京都ヨドバシのケースは、店側が『商品名が言えない外国人には販売しない』という対応をしたそうですが、それは中国人転売ヤーの質があまりにヒドいから。彼らは何も知らされないまま並ばされ、『前の人と同じの』と言って、購入している。少なくとも日本人なら、商品名くらい知っていますからね。店側もほとほと手を焼いており、このような対応になったのでしょう」

 しかし、「商品名が言えない」人を排除するのは、外国人差別につながる危険も大きい。ただ日本語が話せないだけの普通の客かもしれないし、逆に商品目が言える日本人転売ヤーもいる。店側も苦肉の策とはいえ、ネットで「賞賛」されるような対応ではないだろう。

中国人の並び役の時給は約1000円

中国

※画像はイメージです

 雇い主は、商品に関する情報をろくに教えないまま中国人を並ばせている。一体、いくらで雇っているだろうか。

「今回のエヴァンゲリオンは、ネットを見た感じだと2~3時間並べばいいので、バイト代は3000円くらいでしょう。時給換算すると約1000円なので、学生の小遣い稼ぎなら、それなりに効率よく稼げるほうだと思います。パチスロの引き子(並んで抽選受ける係)もそんなもんですし。ホームレスの並びだと24時間5000円くらいと聞いたことがあります」

 わずかなバイト代で、利益を得ようとする転売ヤーの元締め。ほかに彼らはどんなアイテムを狙っているのだろうか。

「おそらく中国人の主力は電子タバコだと思います。アイコスなどの一時の品薄感は解消されましたが、市場価格自体は高止まりしていて、サービスエリアや街頭のゲリラ販売だと安く買うことができます。いまだに購入者が多いので根強い人気があります」

<取材・文/シルバー井荻>

平成生まれの編集者・ライターです。赤羽と阿佐ヶ谷に出没します。ビジネスサイトの編集長もやってました。

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