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ビジネス

プロの情報を厳選して発信する「ペトこと」

――世の中にはペット情報メディアが多数ありますが、「ペトこと」にはどういう特徴があるのでしょうか?

大久保:「専門家によるメディア」として、獣医師、トリマー、トレーナーなど140名にそれぞれの専門分野に特化した記事を執筆してもらっています。

 獣医さんの多くは犬も診れば猫も診て、全身のあらゆる病気に対処するオールラウンダーです。しかし、獣医療も高度化が進んでいますので、ペトことでは心臓病に特化していたり、皮膚を専門にしていたりといったスペシャリストの先生方にご参加いただいているのが特徴です。

 これからは、3000以上の専門家による知見データを生かし、飼い主さんの愛犬や愛猫のデータをアルゴリズムで紐づけて、情報やグッズ、施設情報など最適な提案を行なっていきたいと思います。いわば、ペットライフのAIコンシェルジュです。

――もうひとつの主要サービスである「OMUSUBI」について教えてください。

大久保:OMUSUBIは、保護犬猫と迎えたい人を結び付けるマッチングサイトです。

 現在の多くのペットショップは、迎える準備ができていない人でもお金を出せば即日で連れて帰ることができます。ブリーダーも飼い主としての適性を見るため、時間をかけ簡単には譲らない方もいれば、大量繁殖を目的とした悪質な業者もいます。動物保護団体も、すべてを信頼できるとは言えない状況です。

 僕らは保護団体の活動形態や状況を審査し、本当に信頼できる団体だけがOMUSUBI上で里親さんを募集できるように仕組みづくりをしています。保護犬猫の募集詳細ページには「譲渡費用」が掲載されていますが、弊社側で仲介手数料などはいただいていません。収益源としてはサイトの広告や、ペトことでの企業タイアップ企画などがあります。

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※「OMUSUBI」より

ペットのための審査制マッチングサイト

――OMUSUBIを使うことで、ペットや飼い主にどんなメリットがあるんでしょうか?

大久保:まず、OMUSUBIは審査制のマッチングサイトのため、安心してご利用いただけるメリットがあります。また、保護団体から譲渡される際には、飼いたい人に対して「本当に飼えるのか」を厳正に審査するため、安易に飼って飼育放棄される犬猫側のリスクが避けられます。

 またペットショップでは10匹くらいしか出会えませんが、OMUSUBIには400匹程登録されているので、選択の幅が広くなります。さまざまな年齢層、性格の子たちと出会えるのもオンラインならではだと思います。シニア期の子の場合、一緒に過ごせる時間は短くなってしまいますが、子犬と違ってしつけができていたり、どんな性格か事前に知ることができたりという良さがあるんです。

――保護団体による審査は厳しいんでしょうか?

大久保:保護犬猫の認知度が上がって、検索の数が2年前から2倍くらいになっているんですが、年収や生活環境などの理由で弾かれてしまうことが多いです。断られた人が、安易にペットショップで迎えてしまうことがないよう、保護団体と密接に連携をしていきたいと思っています。

 今後は、OMUSUBIをペット版のペアーズにしていきたいんです。7月からは募集されている保護犬猫と会員さんの「相性度」を表示する機能をスタートさせます。会員登録の際に、自分の好きな過ごし方など、6つの質問に答えると、おすすめの犬や猫との相性が点数で表示される。「子犬を迎えたいと思ってたけど、初心者なのでしつけがある程度できている成犬のほうがいい」など、潜在的なレコメンドをしていきたいですね。

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オフィスには「OMUSUBI」によって新たな家族と結ばれた保護犬猫の数が掲示されている

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