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驚きの高収入「東京エレクトロン」。社員の満足度と、それでも辞める人の理由

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半導体市場の成長とともに拡大する売上・利益

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東京エレクトロン本社が入居している赤坂Bizタワーphoto by Rs1421 CC BY 3.0

 2019年5月29日には、「中期経営計画と新財務モデルについて」という、売上・利益をさらに拡大する内容のリリースを発表している。

 このリリースによると、半導体市場及び装置市場は、AIやIoTなどのさらなる社会インフラ化を背景に現状よりも拡大していくという。特に半導体前工程製造装置(※)の市場は、2021年3月期には550億米ドル(5兆9700億円)から620億米ドル(6兆7300億円)に到達すると予測している。

 なお、2017年段階では420億米ドル(4兆5600億円)から450億米ドル(4兆8800億円)と予測されており、100億米ドル以上も上方修正されている。市場自体の拡大から、東京エレクトロンとしての売上高では、1万5000億円から1万7000億円を見込んでいる。

※半導体前工程製造装置…半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、そのウェーハをチップごとに切断し、組み立て・検査をする後工程がある。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置(東京エレクトロン・2019年3月期 第1四半期決算説明会資料より)

ボーナス額は“アップダウンが激しい”との声も

 業界への期待度も給与も高く、客観的には申し分ない環境に思える東京エレクトロン。実際に働いている人はどのように考えているのか。年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」ユーザーの情報から紹介したい。

 まずは報酬について述べられた口コミを見てみよう。

「査定評価で賞与額は決まりますが、それ以上に半導体業界の景気の波に大きく左右されます。長く勤めていると気にならなくなりますが、アップダウンはとても大きいです。少し前まではムーアの法則の終焉だの、半導体産業は斜陽だのと騒がれていましたが、昨今は非常に好景気で今までのシリコンサイクルから抜け出したと騒がれています」(研究開発/30代前半男性/正社員/年収750万円/2017年度に関する口コミ)

 ムーアの法則とは、1965年にインテルの創業者のゴードン・ムーアが提唱したもので、「半導体の集積率が18か月で2倍になる」というもの。私たちが日常的に使用するコンピュータなどの高性能化、軽量化などからもわかるように、ほぼ法則通りに技術革新が進んできたといえるだろう。しかし、近年では高密度化が進んだことにより、「物理的限界を迎える日も近いのでは」という声もある。

 現状では好景気であるが、その景気の良さが長期間にわたって保証されているかというと、そうではないのかもしれない。

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