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オイシイ転職話にはウラがある。簡単に見抜く方法は…

学び

「ブラック企業」がわかる転職サイトの見方

 その企業の経営者や採用担当が「ついてこられない無能な人が退職している。残っている人は優秀なので、あなたは大丈夫。心配しなくていい」と言ってきたら一発アウトです。人を育てず使い捨てにしていると言っているのと一緒です。

 裏を取るには、その企業に務めている知り合いがいれば直接聞くのがベストですが、いない場合は同業の友人・知人に離職率を聞くのが一番正解に近いです。同業だからこそ手に入る実態の情報が回ってくるからです。同業ゆえに、肌感覚がわかる面も多いものです。

 もうひとつ、定点観測する方法があります。転職サイトで、

・ずっと同じ求人がでている(人が入らない)
・募集終了の数ケ月後、また同じポジションの求人がでている(入ってもすぐ辞める)

 をチェックするのです。

求人情報を「使いまわしている」会社は要注意

上司 部下 耳打ち

 社員の離職率が高い会社は採用が追い付かないので人材紹介に金を積んで依頼します。複数の人材紹介にお願いしますが、媒体により募集要項を使い分けるほど余裕がないので、同じものを使います。そう、どの転職サイトを見ても求人情報が全く同じのコピペなのです。

 社員の定着率がよく成長している会社は、転職サイトの特徴を捉え、新卒や第二新卒に強い、即戦力の中途に強いなど、求人情報を変えていきます。

 ゆえに、複数の転職サイトに同じ内容で求人が出続けているので、離職に影響するほど、社内に問題を抱えていることが透けてみえるのです。オイシイ転職話ほど、複数の転職サイトをチェックして裏を取りましょう。定着率が高い会社と、そうでない会社は採用の力の入れ所が違います。

 定着率が良い会社は、社員が安心して定着して活躍する職場環境をつくり、入社した人が安心して活躍できるようにすることに力を入れます。逆に定着率が悪い会社はヘッドカウントを上げること。採用人数をあげることに力を入れます。人が辞めるので、辞める人数より多く採用する必要が生じるからです。天使は悪魔の顔をしてやってくるのと一緒です。オイシイ話にはご注意ください。

<TEXT/松本利明>

人事・戦略コンサルタント。外資系や日系の大手企業から中堅企業まで24年間、600社以上の人事や働き方改革に従事。『「稼げる男」と「稼げない男」の習慣』(明日香出版社)、『「ラクして速い」が一番すごい』(ダイヤモンド社)はベストセラー

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