28歳OL社長が考える“豊かさ”「良い大学、良い会社が成功ではない」
働き方改革の一環に、従業員の副業を認める動きが高まっています。
日本経済新聞社が大手企業を対象に行なったアンケート調査(5/20)によると、回答を得た120社のうち約5割の企業で、従業員に副業を認めていることがわかりました。そんななか注目を集めているのが、本来の仕事と並行して、余暇を使用して投資や起業など第二の活動も行う「パラレルキャリア」という新しい働き方です。
今回、大手電機メーカーで会社員として働きながら、大学時代に起業した「ハピキラFACTORY」では社長業もこなし、慶應義塾大学大学院特任助教としても働く正能茉優さん(28)に話を聞きました。
今回の取材は5月13日、インターネット証券・FOLIOの甲斐真一郎社長とともに、正能さんが登壇したLINE アプリ上で500円から積立投資ができる「ワンコイン投資」サービスのトークイベント直後にLINE本社で行いました。
主な事業は、地域の特産物のプロデュース
――正能さんは大手電機メーカーの社員として働きながら、ご自身の会社「ハピキラFACTORY」を経営されていますが、どのような事業をやられているのですか?
正能茉優(以下、正能):地域にある特産物を“かわいく”プロデュースして、発信・販売するお仕事をしています。直近では、母の日ギフト・父の日ギフトとして、徳島県のさつまいも「なると金時」を使ったスイートポテトやどら焼きのスイーツセットをプロデュースしました。
このあとは、お中元の季節がやってくるので、宮崎県の国産マンゴーを使ったスイーツセットを販売する予定です。お菓子は、ギフトとしてプロデュースさせて頂くことも多いので、こうして季節ごとにお仕事が始まりますね。
最近では、プロデュースという形ではなく、社員さんへの研修やコンサルティングという形でのお手伝いも増えてきています。
「身の丈」に合った起業なら、やりやすい!?
――ビジネスをはじめるキッカケは、長野県小布施町だったと聞きました。
正能:はい。当時私が大学1年生だった頃の話なのですが、大学でお世話になっていた恩師の後輩が、長野県小布施町の役場の職員さんになることになりまして。その方にご紹介いただいて、まちづくりインターンシップに参加したのがきっかけです。2010年の夏のことでした。
――その後、小布施町の特産品で起業されるわけですね。
正能:そうですね。そのインターンをご縁に、町でいろいろな活動をさせて頂いていたのですが、2012年の秋に、ハピキラのもととなるプロジェクトは考え始めました。その後5か月ほど準備をして、2013年2月のバレンタインに、小布施町の特産品である「栗鹿ノ子」をバレンタインギフトとしてプロデュースしたのが、はじまりです。
――起業するのは勇気がいりませんでしたか?
正能:勇気のいらない大きさで、まずは始めてみたという感じです。「起業」と言っても、お金を借りて、数万個の商品をつくるとかではなく、1個500円の商品を2000個つくるという、身の丈にあったサイズ感だったんですよね。ミニスタートです。
自分が気負ったり、嫌な気持ちになったりしないくらいのサイズ感で始めると、始めやすいのかもしれません。