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「5月病にかかりやすい新社会人の特徴」1万人と面談した産業医に聞く

学び

 年度が替わり、学校や職場などの生活環境が変わって間もない頃、目立った病気などがあるわけでもないのに「なんだか調子が良くない」と感じてしまう。

 その状況がゴールデンウィークを経ても改善しない――。こうした症状は、一般的に「5月病」と呼ばれます

産業医

※画像はイメージです(以下同じ)

 私は産業医として通算1万人以上の働く人と面談をしてきました。その経験から原因の多くは、4月の過ごし方に起因していると感じています。とりわけ新入社員は新しい生活環境への変化に上手に適応しきれないため、翌月になってから体や心の不調が現れてしまっているのです。

 新生活のスタートで生じがちな「問題」。つまり、「過去の友人・知人たちからの隔離」と、「新生活への高すぎる期待が生むストレス」です。このストレスが大きすぎると、メンタルヘルス不調にまで拗らせてしまう可能性があるのです。

ストレスを解消する/ストレスを生む人間関係

 就職、異動や転勤などで新しい生活が始まると、それまでの友人や同僚たちとの関係が疎遠になることがあります。

 仕事が忙しすぎて、結果としてこれまでの友人や同僚たちと疎遠になる人たちもいます。一方、「新しい職場になれるまでは、仕事に集中したい」という考えの人たちもいます。しかし、こうした過度にストイックな態度は、ときに裏目に出てしまいます

 新生活で知り合ったばかりの同僚や知人たちと、いきなり腹を割ったホンネの会話をするのは難しいことです。たわいもない話をしていても、緊張感が残っていたり、本心を隠した「腹の探り合い」になってしまったりします。

 こんなときに、気心の知れた友人や以前の同僚と話すのは心理的に良い効果が期待できるのですが、後者の人たちは自らその道を断ってしまっています。

 その結果、ちょっとした不安やストレス、悩みを愚痴ったり解消せずに溜めていき、やっかいなことになってしまうのです。不安やストレスは、溜まるほど解消が難しくなり、メンタルヘルス不調の原因になってしまいます。

高すぎる期待は「五月病」のストレスに

 
ストレス

 ストレスを生むもうひとつの原因として挙げた「新生活への高すぎる期待」とは、自分への期待だけでなく、他人への期待も含んでいます。

 新生活が始まると、多くの人は気持ちを新たにし、自分自身に期待をかけます。新しく外国語学習やお稽古事を始めてみたり、他人より優秀でありたいと自分にハッパをかけてみたりします。

 それが上手くいかないと「自分の頑張りが足りないからだ。もっと頑張らなければいけない」と考えてしまう人もいます。このように、自分への期待が高すぎるために、ストレスが生じてしまいさらに自分を追い詰めて不調になる人たちもいるのです。

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